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「第71回カンヌ国際映画祭」で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督
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「第71回カンヌ国際映画祭」で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督

 是枝裕和監督の「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭(フランス)で最高賞パルムドールに輝きました。カンヌはイタリアのベネチア、ドイツのベルリンと並ぶ「世界三大映画祭」の一つ。それぞれには、どんな特徴があるのでしょうか。(片岡達美)

 -まずはカンヌから。

 「始まりは1946年。硬派の、政治色が強い作品が好まれるようだが、審査員が毎年代わるので幅広いジャンルから選ばれている。映画祭と平行し大規模な映画見本市があるため、世界中の映画関係者が商談を行っているんだ。近年はカンヌの権威が高まっている」

 -日本人のパルムドールは、97年の今村昌平監督の「うなぎ」以来だ。

 「第1号は54年の衣笠貞之助監督『地獄門』。黒沢明監督『影武者』(80年)、今村監督『楢山節考』(83年)と続く」

 -ほかの映画祭は?

 「最古はベネチアで、世界的な芸術の祭典『ベネチア・ビエンナーレ』の映画部門として32年にスタート。芸術性の高い作品が選出される傾向が強い。最高賞の金獅子賞には黒沢監督『羅生門』(51年)、稲垣浩監督『無法松の一生』(58年)が選ばれた。50年代は複数の溝口健二監督作品が金獅子賞に次ぐ銀獅子賞に。97年に北野武監督『HANA-BI』が金獅子賞となり、『世界のキタノ』と呼ばれるきっかけになった」

 「一方、51年に始まったベルリンの受賞作は社会派作品が多い。日本人では今井正監督が63年、『武士道残酷物語』で最高賞の金熊賞に。2002年、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』の金熊賞は記憶に新しいね」

 -三つの共通点は?

 「対象が未公開作品で、国や言語、有名無名、キャリアを問わずにノミネートされる。若い才能の発掘に積極的で、カンヌが1997年、河瀬直美監督の初演出の劇映画『萌の朱雀』を、新人監督賞に当たるカメラドールに選び、驚きをもって迎えられたよ」

 -米アカデミー賞とは何か違うの?

 「アカデミー賞は、基本的に英語で作られ、授賞式前の1年間に決められた条件を満たして公開された米国の作品がノミネートされる。欧州やアジアなどの作品は外国語映画賞部門に回されるわけだ。審査は映画芸術科学アカデミー会員の投票だが、ハリウッド関係者が多いので、公平性を欠くと指摘されることも」

 「ただ、三大映画祭とアカデミー賞も、作品賞以外に俳優や脚本などを対象にしたさまざまな賞があるのは共通している」

 -是枝監督の今後が楽しみだね。

 「昨年のベネチアで金獅子賞のメキシコ人ギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』が、今年の第90回アカデミー賞で作品賞など4部門を制覇。是枝監督も2013年のカンヌで『そして父になる』が審査員賞を受け、今回の受賞。世界に羽ばたいてほしいね」

2018/6/9

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