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神戸・長田女児死体遺棄

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 神戸市長田区で市立名倉小1年の女児(6)の遺体が見つかった事件で、兵庫県警は14日、殺人容疑で無職君野康弘容疑者(47)を再逮捕した。黙秘を続け、女児との関連が語られない中、容疑者宅から見つかった包丁や血痕など間接的な物証を積み上げ、殺人容疑での立件に踏み切った。

 捜査関係者によると、女児が行方不明になった9月11日以降の2人の接点は明らかになっていない。司法解剖で死因は特定されず、殺害方法だけでなく、女児が死亡した経緯も不明のままだ。

 「(女児は)健康体で病気や事故による死亡は考えられない」。再逮捕の会見で、捜査幹部は殺人容疑での立件を判断した理由を説明した。しかし、殺害に関与したと考える根拠については「証拠関係になるので答えられない」と繰り返した。

 県警はこれまでの捜査で、遺体の遺棄に使われたビニール袋から同容疑者の指紋を検出。容疑者宅の浴室などで女児の血液を発見し、浴槽下から遺体の切断に使ったとみられる包丁も見つかった。捜査幹部は「状況から、ほかの人物はあり得ない」とする。

 県警は、君野容疑者が9月11日に女児の後ろを歩く姿を防犯カメラで確認。しかし、再三の聞き込みでも2人で歩く姿は目撃されておらず、同容疑者宅へと移動したルートも判然としない。

 黙秘する君野容疑者から供述を得るため、県警は同容疑者が幼少期を過ごした鹿児島県などに捜査員を派遣。大阪市内に住む親族とも接触し、動機解明につながる糸口を探している。

 捜査幹部は「黙秘が続いても公判が維持できるほどの有効な証拠を集めていくしかない」としている。

【殺意の証明困難】元検事の落合洋司弁護士の話

 現段階で容疑者の自宅から見つかった被害者の血痕や、遺体の切断に使われたとみられる凶器などは、容疑者と死体遺棄の結び付きを推認させる証拠でしかない。

 このまま容疑者の供述がない状況では、部屋で女児と一緒にいたということや、何らか外傷に至るような行為があったことは推認できても、殺意をもって死に至らしめたということを証明するのは難しいのではないか。

 遺体の処理方法などに不可解な点もあり、必要に応じて容疑者の責任能力も鑑定せざるを得ないだろう。

【過去にも認定例】甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)の話

 遺棄現場から容疑者を示す明確な遺留物が見つかるなど、当初から少し不可解な事件だが、自供などの直接証拠がなくても間接証拠、すなわち状況証拠の積み重ねで殺人罪が認定されたケースはこれまでもある。

 自宅に連れ込む最中で被害者を誤って死亡させたという想定もできるため、「これは殺人である」と立証するには、殺意と殺人行為がいずれもあったことを証明する必要がある。

 遺体から死因が特定できず、容疑者の自供もない以上、裁判員裁判でも分かりやすく説明できるような客観的な証拠を積み重ねるしかないだろう。

2014/10/15

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