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神戸・長田女児死体遺棄

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長田女児殺害事件の判決公判に臨む佐茂剛裁判長(上段中央)=18日午後、神戸市中央区橘通2、神戸地裁(代表撮影)
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長田女児殺害事件の判決公判に臨む佐茂剛裁判長(上段中央)=18日午後、神戸市中央区橘通2、神戸地裁(代表撮影)
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君野康弘容疑者(会員制交流サイトのグリーから)
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君野康弘容疑者(会員制交流サイトのグリーから)

 神戸市長田区の小1女児殺害事件で、殺人や死体遺棄、わいせつ目的誘拐などの罪に問われた無職君野康弘被告(49)=同市長田区=の裁判員裁判判決公判が18日、神戸地裁であった。佐茂(さも)剛裁判長は「生命軽視の姿勢は顕著であり、性的欲望を満たすために生命を奪っている点から、その身勝手さは他に多くの例はない。殺害方法も残虐」などとして求刑通り死刑を言い渡した。同地裁の裁判員裁判では初の死刑判決となり、被害者1人の事件で死刑としたのは全国4例目。弁護側は即日控訴した。

 判決では、殺害方法などに触れ「偶発的な犯行とはいえず、殺意は極めて強固」と非難。その上で、今回と同じ被害者1人の死刑判決とも比較し、「生命軽視の姿勢が甚だしく顕著である場合、死刑選択はありえる」と説明した。

 さらに被害者参加制度で出廷し、極刑を求めた遺族の処罰感情や、地域住民に与えた不安なども挙げ、「死刑を回避すべき事情は見当たらない」とした。

 君野被告は公判で殺害などを認める一方、誘拐のわいせつ目的を否定。「話し相手になってほしかっただけ」とした弁護側の主張に対し、佐茂裁判長は「話をするだけのために、人間関係のない女児をわざわざ自宅に招き入れたというのは不自然」と退けた。

 閉廷後、弁護側は「主張を受け入れられなかった。高裁の判断を仰ぎたい」と控訴理由を述べた。

 判決によると、君野被告は2014年9月11日午後3時半ごろ、自宅近くの路上で小学1年の女児=当時(6)=に声を掛けて自宅に誘い入れて殺害。同月14日ごろまでに、遺体を複数のビニール袋に入れて自宅近くの雑木林などに投棄した。

 【被害者1人 残虐性重視】

 神戸市長田区で小1女児を殺害したなどとして君野康弘被告(49)を死刑とした神戸地裁判決。被害者1人の事件では死刑が回避される傾向がある中、市民から選ばれた裁判員らは6歳の命を奪い、遺体を傷つけるなどした残虐性を重視して重い決断を下した。

 同被告の裁判員裁判で選任された裁判員は男女6人。11日の検察側の死刑求刑後、裁判官3人と量刑などについて評議した。

 死刑適用は1983年の最高裁判決で、動機や殺害手段、結果の重大性などを総合的に考慮するべきと示されているが、傾向としては被害者の数が重視されている。被害者が1人の場合、身代金目的などを除けば死刑を避ける判決が多い。

 君野被告の量刑判断で裁判員らは動機や殺害行為などから死刑に問えるのかを検討。「性的欲求を満たすためで(殺害方法には)執よう性も認められる。生命軽視は顕著」などとして死刑に当たるとした。

 2009年に裁判員裁判が始まって以降、1人殺害で死刑判決を受けたのは君野被告のほかに計3人。控訴を取り下げた1人以外は、裁判員以外の裁判官だけで裁く高裁段階で死刑判決が破棄された。

 強盗殺人罪などに問われた2人で、東京高裁は13年、いずれも判例との比較から「前科を重視しすぎ」などとして無期懲役に減刑。最高裁も支持して確定した。

 君野被告の弁護側は死刑判決を受けて大阪高裁に即日控訴。公判で同種事件との比較から「重くても長期の懲役刑が妥当」と主張しており、裁判員の選択を高裁がどのように判断するのか注目される。(有島弘記)

  【神戸・長田の小1女児殺害事件】

 神戸市長田区で2014年9月11日、小学1年の女児=当時(6)=が学校から帰宅後に外出して行方不明になった。同月23日、自宅から約100メートルの雑木林から切断遺体が入ったビニール袋が発見され、兵庫県警は女児と特定、24日に死体遺棄の疑いで近くに住む無職君野康弘被告(49)を逮捕した。神戸地検は15年1月、精神鑑定の結果から刑事責任能力があるとして殺人罪などで起訴した。

2016/3/18

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