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神戸・長田女児死体遺棄

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 裁判官との評議を重ね、裁判員が出した結論は極刑だった。神戸市長田区で小1女児が殺害された事件で、神戸地裁は18日、兵庫県内の裁判員裁判で初の死刑を言い渡した。「極めて悪質で、殺害の身勝手さは例を見ない」。身動きもせず、じっと聞き入る君野康弘被告(49)。閉廷後、裁判員は「夜も寝られないほど悩んだ」と胸の内を打ち明け、遺族はあらためて娘の冥福を祈った。

「みんなで話し合った結果」。判決後、会見した裁判員と補充裁判員計8人は、導き出した結論について、納得の言葉を口にした。ただ、「精神的な負担が大きかった」と、重い決断を下した苦しさも吐露した。

 「納得して結論を出せるように臨んできた」。裁判員の男性会社員(28)は、審理を終えた心境をそう語った。20代の女性裁判員は「大きな罰を科すかどうかではなく、どれだけ話し合って結論を出せるかに重きを置いた。(君野被告には)判決を受け止めてほしい」と話した。ただ、「人の命を奪うような判決に、言葉が出ない」とも話し、複雑な心境を明かした。

 また、事件の残虐性から、公判を通して一様に精神的負担が大きかったことを口にした。

 遺棄された遺体など凄(せい)惨(さん)な様子をイラストで表示するなどの配慮もあったが、「被害女児と同じくらいの小さい子を見ると、苦しい気持ちになる」「熱が出て体調にも影響があった」との声も上がった。

 20代の女性裁判員は「裁判員制度の趣旨は分かるが、あまりにも重い内容の裁判には、国民参加を避けるべき時もあるのでは、と思った」と話した。

 【渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話】

 「事件の特徴や残虐性などを深く審理した裁判員裁判ならではの判決で評価できる。(最高裁が死刑適用基準として示した)約30年前の永山基準と今の死刑選択の基準が同じである必要は全くない。遺族らの処罰感情の重みを受け止めた今回の判断こそ、市民参加の裁判員裁判らしい。プロの裁判官の目線ではなく、市民の良識から見ても明らかに説明できない限りは、控訴審でも死刑判決を尊重すべきだ。被害者が1人である本件で、判例で形成された量刑相場から死刑判決を破棄するのであれば、裁判員裁判の精神を踏みにじっていると言わざるを得ない」

2016/3/18

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