連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

もの知り投資学

  • 印刷
拡大

 最近、年金基金が市場関係者に注目されています。年金基金は、将来の年金支払いに充てる積立金を、株式や債券などで運用し、安定的に増やすことを目指しています。この資金が巨額なため、どんな分野の商品にどの程度が割り振られるかによって、各市場が大きな影響を受けるのです。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内の厚生年金と国民年金の積立金計約129兆円(2013年末)を運用する世界最大の年金基金です。

 13年末の資産構成は日本の国債など国内債券が約55%で、国内株式は約17%です。ほかに外国債券が約11%、外国株式は約15%となっています。

 年金は、長期的な観点から安全、かつ効率的な運用を目指すのが基本です。このため国内債券が過半を占めています。でも国内外の株式の比率を高めるべきだとの声があります。

 日本の国債は、安全な資産とされてきました。でも国の財政は悪化していて将来もずっと安全かどうかは分かりません。また、日銀は2%の物価上昇を目指しています。インフレ時は金利も上がるので、固定金利の国債での運用は不利になるかもしれません。

 一方で、株式の比率を高めるのに反対する意見もあります。株価は上下するのが常で、大きく値下がりすれば、年金の支払いに悪影響が出る恐れもあるからです。

 海外に目を向けると、米国最大のカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)は資金の半分以上を株式で運用しています。欧州の年金基金では、環境保護への取り組みに積極的な企業への投資を重視する考え方もあります。

 GPIFの運用姿勢が変化すれば、国内のほかの年金基金にも波及する可能性があります。そうなると、株式や債券といった市場への資金の流れが変わることも想定されます。株式などに投資するなら、年金基金の動きにも目を配りましょう。

2014/6/11
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • 25℃
  • 10%

  • 34℃
  • 22℃
  • 10%

  • 35℃
  • 25℃
  • 10%

  • 36℃
  • 23℃
  • 10%

お知らせ