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もの知り投資学

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 株式売買と言うときは、通常「普通株式」を指します。一株一株は原則平等で、株主は株数に応じて株主総会で議決権を行使したり、配当を受け取ったりすることができます。

 一方、行使できる権利が普通株と異なる株もあります。これを「種類株式」と呼びます。元本が事実上保証される新型の種類株をトヨタ自動車が7月に発行したことで、一気に注目度が上がりました。

 まず種類株全体を概観しましょう。投資家の中には、経営には口を出さない代わりに配当金を多めにしてほしい人、逆に配当金にはこだわらないけれど、ある程度は経営に関与したいという人もいます。

 こうした、さまざまな要望に応じられるように株に個性を持たせたのが種類株で「優先株式」がよく知られています。企業が資金を調達しやすくするため、2006年施行の会社法で種類株の整備が進みました。ただ発行している企業はまだ多くないようです。

 トヨタの新型株が注目されたのは事実上「元本保証」となっていることや、配当率が高いことが理由です。

 この株は発行から5年間は売却や譲渡ができません。非上場で、その後も取引所で売買はできません。

 しかし、5年経過後に株主が希望すれば取得時の価格でトヨタ側が買い取ってくれます。

 1年目の配当は発行価格の0.5%でそれほど高くないのですが、その後は毎年0.5%ずつ上がり、5年目からは2.5%が続きます。5年目以降は継続保有しても、売却しても、普通株式に転換してもいいのです。

 トヨタは日本の代表的な企業ですが、業績悪化の可能性がないわけではありません。株を買い取ってもらったり、配当を受け取ったりできなくなる恐れなどもあるのです。人気に惑わされず冷静に投資判断することが大事でしょう。

2015/9/2
 

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