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もの知り投資学

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 国の経済規模や景気動向を反映する代表的な指標が国内総生産(GDP)です。マイナス成長が続くと景気後退入りが意識されて対策を求める声が強まるなど、政府の政策運営に大きな影響を及ぼします。長期的に株価との緩やかな関連性があるとの見方もあります。

 日本では内閣府が速報値を3カ月ごとに公表しています。各種データを加味して修正した改定値も示しています。

 物価変動の影響を除いた実質値が重視されますが、除外しない名目値も時には関心を集めます。インフレになれば名目値は拡大しやすく、デフレ脱却を図る安倍政権は現状の2割増しに当たる名目GDP600兆円の目標を掲げています。

 GDPを項目別に見ると、まず国内需要と海外需要に分けられます。海外需要は輸出から輸入を差し引いた純輸出を指します。輸出が輸入を上回って伸びればGDPにはプラスに働きます。

 国内需要は民間需要と公的需要に分解できます。公的需要は公共投資などが挙げられます。民間需要は個人消費や住宅投資、企業の設備投資などで構成します。中でも比重が大きい個人消費は成長率に特に影響します。

 米国ではGDPはほぼ一貫して増加傾向です。またダウ工業株30種平均は2008年のリーマン・ショック後に急落したケースなどを除けば順調に上昇してきました。

 日本は1990年代以降、GDPは伸び悩み、日経平均株価(225種)はおおむね1万~2万円の範囲です。ただバブル期の89年末には終値で3万8915円まで一気に値上がりし、翌年明けに急落しました。投機マネーの流入で、GDPが示す経済の実力以上に株価は膨らむことがあります。

 GDPの内容が良かった場合、経済成長に伴って企業業績が伸びるとの観測から公表直後の株式市場は買い注文が入ることが多いです。ただ過去には経済対策への期待がしぼんで売られたこともあり、注意が必要です。

2016/8/24
 

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