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もの知り投資学

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 今回は、欧州の地政学リスクをみましょう。

 欧州では中東のような大規模な軍事的紛争は多くはありません。ただ、中東と地続きであるため、過激派組織「イスラム国」(IS)の活動やシリア内戦といった問題が欧州に大きな影響を与えることがあります。

 中東からの難民が船やボートで欧州に上陸してくる様子は何度もニュースで流れました。また、ベルギーやパリなど欧州各地ではIS関連のテロが多発しており、解決のめどは簡単には立ちそうにありません。

 欧州各国は互いに異なる事情を抱えており、政治的なリスクが多いのも特徴です。欧州連合(EU)離脱を決めた昨年6月の英国の国民投票は、世界の金融市場に衝撃を与えました。

 結果が出た後、日本の株式市場では日経平均株価(225種)が終値で1200円超安と、約16年ぶりの下げ幅を記録。米ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の下落幅は約4年10カ月ぶりの大きさとなりました。一つの国の政治動向が世界を回り、世界同時株安の展開を生み出したのです。

 このほか、EUからの離脱などが争点となったフランスの大統領選や下院総選挙では、従来の政治の枠組みに反対する極右勢力が台頭。スペインの一部では独立運動も起きています。

 また、数年前に顕在化したギリシャの債務危機問題では、EUが金融支援することでひとまず決着はつきました。しかし、今でも大きな懸案となっているほか、イタリアやフランスの不振も懸念材料といわれています。

 今年9月にはドイツで連邦議会(下院)選挙があります。メルケル首相率いる与党が敗北となれば、金融市場にも影響を与えるかもしれません。

 欧州には日本を代表する多くの企業が進出しており、各国での動向が株価などに大きな影響を与えます。それぞれの国の情勢に関心を持つことが大切です。

2017/8/16
 

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