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もの知り投資学

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 政府は、個人資産を「貯蓄から資産形成へ」促そうと投資環境の整備を進めています。今回は資産運用がいつから始まったか振り返ってみます。

 資産運用という考えは、生活に余裕ができるようになって初めて生まれました。物々交換の時代にも家畜や土地などを蓄える人はいましたから、お金が誕生する前から資産運用は行われていたとみてもいいでしょう。

 資産運用は長らく富裕層に限られたものでした。一般に広がったのは最近で、特に日本ではなかなか根付きませんでした。以前は、土地価格は上昇するといった土地神話や、高金利の預貯金、保険があり、老後には生活に十分な年金があったからと考えられます。

 債券や株式での運用から始まり、時代とともにさまざまな金融商品が生まれました。投資信託は19世紀初頭の英国で誕生したとされていますが、日本では1951年から本格的に登場します。

 連合国軍総司令部(GHQ)が占領政策として行った財閥解体の時に放出された株式の受け皿として投信がつくられたのです。株式投信からスタートし、公社債や外国証券の投信も販売されるようになります。

 80年に中期国債ファンドが、92年にはMMF(マネー・マネジメント・ファンド)が販売されると、預貯金に近く安全性の高い商品として人気を集めました。規制緩和により商品は多様化し、2000年代に入ると株式上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)、ファンドラップなども登場します。

 最近は、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」といった税優遇のある長期運用を促すための制度も導入されました。

 多様な商品が生まれましたが、日本の個人資産の大半は依然として預貯金です。将来に備えて運用を始める人も増えてきてはいますが、資産運用が一般的になるにはまだ時間を要しそうです。

2017/11/22
 

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