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もの知り投資学

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 外国為替市場で円安傾向が続いています。「円安を好感して輸出関連株が買われた」というニュースを見たり、聞いたりしたことがある人は多いでしょう。今回は円相場と輸出関連株の値動きを考えましょう。

 輸出関連株とは、文字通り輸出関連企業の株のことで自動車や電機、機械などのメーカーの株を指します。日本のメーカーは輸入した原材料を国内で加工し、輸出することで、ドルをはじめとする多くの外貨を稼いできました。この稼ぎに円相場が影響するのです。

 乗用車1台が1万ドルで売れると、1ドル=100円なら100万円の売り上げですが、ドルの価値が上がって1ドル=120円になると120万円の稼ぎとなります。このように円安になると円で計算した売り上げや利益が増えます。このため円安になると輸出関連株は値上がりしやすいのです。

 逆に円高になると売り上げなどが目減りしてしまいます。2012年後半までは円高基調が目立っていました。こうしたこともあって日本企業の多くが、海外生産を進めました。自動車各社は「地産地消」と称して、海外の消費地近くに工場を建てて稼働させました。こうして輸出が少なくなっている企業も増えつつあります。

 輸出以外にも国内メーカーには円安メリットがあります。海外の子会社が現地で生産、販売する場合に、その子会社の円換算した売上高や利益が膨らむのです。上場企業は、海外子会社の業績も含めた連結決算で業績を示すのが一般的なので、親会社に対する投資家の評価に影響します。

 輸出関連企業にも円安によるデメリットはあります。輸入原材料や部品の価格が押し上げられるので、製品価格に上乗せするのが難しい場合などは負担が増えます。

 日本企業の世界展開が進んでいるので、欧州のユーロや中国の人民元、ブラジルのレアルなどに対する円相場が業績を左右する場合もあります。

2014/11/26
 

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