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もの知り投資学

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 企業統治原則(コーポレートガバナンス・コード)という言葉を聞く機会が増えていませんか。今回は企業や市場関係者の間で重要なキーワードになりつつあるこの言葉をみましょう。

 コーポレートガバナンス・コードとは、簡単に言えば上場企業、実際にはその企業の経営者が、どのように行動すべきかを示した指針です。

 経済のグローバル化を背景に、安倍晋三政権の成長戦略の一つとして、ことし6月に導入されました。企業の価値を高め国際競争力を強めることが主な狙いです。

 ではなぜ、この指針を導入すると企業の価値が高まるのでしょう。

 例えば、日本の企業は経営を安定させるため、相互に株式を保有する「持ち合い」をしてきました。しかし、この持ち合いが経営者の緊張感をそぐとの批判が以前からあったのです。

 一般の株主には「利益の多くを社内に蓄積させず、もっと配当金を増やしてほしい」といったさまざまな要望があるのに、持ち合いのせいで経営者が耳を傾けないというわけです。

 指針は持ち合いを完全に否定しているわけではありませんが、持ち合う場合は合理的な理由を明らかにするよう求め、漫然と始めたり継続したりしないよう促しました。

 これによって、今まで日本企業への投資に消極的だった投資家らが、株式の購入を増やすことが期待できるのです。

 ほかにも、女性の活躍の促進など従業員を含む株主以外の利害関係者と協力・行動することや、企業トップの暴走などを防ぐために、その会社の出資者らではない独立した社外取締役を2人以上置くなどして、取締役会が適切な役割を果たすよう求めたことも、注目されます。

 トップの圧力を背景に不正会計に走ったとされる東芝をみれば、社長を選出したり、役員がお互いに行動をチェックしたりできる取締役会の重要性が分かるのではないでしょうか。

2015/10/21
 

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