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もの知り投資学

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 今回と次回は、海外の主な中央銀行をみてみましょう。最初は欧州中央銀行(ECB)です。

 ECBは欧州連合(EU)の誕生で導入された通貨ユーロを使う19カ国の金融政策を担う中央銀行です。ユーロ圏の経済規模拡大や、一部の国の財政危機もあり、その政策が世界の株式市場や外国為替市場に及ぼす影響が大きくなっています。

 中央銀行は通常一つの国に一つですが、ECBは「ユーロ圏の各国中央銀行の中央銀行」と言える存在で、それぞれの国の中央銀行と役割を分担して金融システムを支えています。

 そのトップが、ECB総裁です。現在のドラギ氏は3代目で歴代総裁は全てユーロ圏各国の中央銀行総裁の経験者です。

 ECBには、役員会と一般理事会、政策理事会という三つの重要な機関があります。役員会は、政策理事会が決めた金融政策を実施するために、各国の中央銀行に指示を出したり、政策理事会の準備をしたりします。

 EU加盟国でも英国やデンマークなどはユーロを採用していません。こうした国との調整の場が一般理事会です。ECB総裁や副総裁のほか、EU加盟国の中央銀行総裁がメンバーで、政策理事会への助言や統計情報の収集などもしています。

 ECBの最高意思決定機関は政策理事会で、政策金利や通貨政策などを決めます。役員会のメンバーとユーロ圏19カ国の中央銀行総裁が集まり約2週間ごとに会合を開きます。金融政策は6週間ごとに議論し、会合後にはECB総裁が記者会見を開いています。

 ECBが決定した金融政策は、ユーロ圏各国の中央銀行が実施します。ただ国ごとに状況はさまざまです。財政が健全な国もあれば切迫している国もあるので効果は必ずしも同じではなく、意見をまとめることすら難しいこともあります。ECBの金融政策のかじ取りは極めて難しいのです。

2015/3/25
 

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