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もの知り投資学

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 会社が事業を拡大する方法の一つとして、他の会社を買う、買収があります。証券取引所に上場している会社では、株式公開買い付け(TOB)をし、通常、発行済みの株式数の過半数を買って経営権を得る方法が取られます。

 TOBとは、買収者がある会社の株式を買収する意思と条件を公表し、取引所を通さずに不特定多数の株主から株式を買い集める方法です。1株当たりの買い取り価格や買い付け期間、買い付け予定株式数を示して募集します。

 取引所を通して株式を買い集めることもできますが、株価が上昇して買収費用が想定より膨らんだり、必要な株式数を買えなかったりすることもあります。TOBならば、買い取り価格が決まっているため費用は事前に確定します。また、予定の株式数が集まらなければ取りやめることができるため、買収に失敗したときの費用負担を抑えることができます。

 取引所を通さないため、TOBでは担当の証券会社が売買手続きなどをします。TOBに応じたい株主は担当証券会社に申請し、その証券会社に口座がなければ開設する必要があります。利用している証券会社から株式を移管しなければならないため、余裕を持って手続きをしましょう。

 買い付け期間が終われば、TOBが成立したかどうかが発表されます。不成立の時は株式が返却され、成立すれば買い取られた株式の代金が支払われます。予定以上の応募があると、全て買い取られずに一部株式が返却されることもあります。

 買収には、対象となる会社の経営陣の合意を得ている友好的買収と、合意を得ていない敵対的買収があります。上場会社の場合、経営陣の合意がなくても株主から株式を買い取ることはできます。ですが、合意を得ず踏み切ると否定的な評判が広がることもあり、過去の例をみると、成功確率は高くないようです。

2018/1/30
 

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