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もの知り投資学

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 昨年は、急速に円安が進んだため外国為替証拠金取引(FX)が国内で注目されました。日本のFX市場で大きな存在感を示してきた主婦や会社員らを、海外の経済雑誌や新聞などのメディアが「ミセス・ワタナベ」と呼んで話題にすることも少なくありません。

 FXはオンライン証券会社やFX専門会社などを通じて外国の通貨を売買する取引です。例えばドルを買って、その後に円安ドル高になると、円に戻したときに利益を得られます。反対に円高になれば損をします。

 ここまでは外貨預金と同じですが、FXは保証金を用意すれば、最大でその25倍の金額の取引が可能です。この倍率を、レバレッジと言います。仮に1ドル=100円、手持ちの資金が100万円だとします。普通は1万ドルしか買えませんが、レバレッジが10倍だと10万ドルが購入できます。

 この後、1ドル=101円の円安になると、1万ドルなら1万円だけの利益ですが、手元には10万ドルあるので利益は10万円になります。逆に1ドル=99円の円高になると普通は1万円の損ですが、10万ドル持っていれば損も10万円に膨らみます。

 レバレッジの大きさに制限のない時期もありましたが、投機過熱などを防ぐため規制が段階的に強化され2011年8月からは25倍が上限です。

 取引を始める際に売りから始められる点も外貨預金と違う点です。円高ドル安が進みそうな局面で最初にドルを売り、円高が進んでから買い戻せば利益が出ます。為替の手数料が総じて安いのもFXの利点です。FXで預金金利の高い国の通貨を買って持っていれば、為替相場が同じなら国内で預金するよりも多くの利息が付きます。

 ただ、為替の先行きを正確に予測するのは専門家でも困難です。FXの仕組みもやや複雑です。事前に説明を聞いて疑問や不安が残れば手を出さないといった判断も必要です。なお、日本の個人投資家をワタナベと呼ぶ理由は、はっきり分からないようです。

2014/2/26
 

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