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もの知り投資学

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 企業は業績拡大のために他社を買収することがあります。買われる側も納得していれば話は順調に進みます。でも「買収されるのは嫌だ」と考える企業を買おうとする事例もあります。このような強引な買収を防ぐために、いろいろな手法が考案されてきました。これが「買収防衛策」です。

 株式会社は、株主総会で重要な意思決定をします。この際、株主には、賛否を表明する議決権が株数に応じて与えられています。企業の買収とは議決権の過半数を手に入れて、この意思決定を支配することだと考えていいでしょう。

 上場企業の株は、さまざまな投資家に売買されていて、買収実施を考える企業が、相手方の同意なしに株を買うことも可能です。これを「敵対的買収」と言います。成功はしませんでしたが、旧ライブドアがニッポン放送に仕掛けた例が代表的です。

 かつて日本企業は親密な取引先などとお互いの株を持ち合い、安定した経営のかじ取りができるよう支え合ってきました。でもバブル崩壊後の業績低迷期に保有株を売る企業が増えたことや、持ち合いのマイナス面に対する投資家の見方が厳しくなったことなどもあり、次第に持ち合いが減少。企業は防衛策を講じる必要に迫られたのです。

 防衛策をいくつか見てみましょう。「ポイズンピル(毒薬)」は、あらかじめ市場価格より安い価格で新株が発行できるようにしておいて、敵対的買収に踏み切る企業が出てきた場合に株の全体量を増やし、買収者の持ち株比率を下げます。

 「ゴールデンパラシュート(黄金の落下傘)」は取締役を解任した場合に高額の退職金を支払う契約を結んでおき、経営陣を入れ替えにくくします。別の親密企業に依頼して、先に買収してもらうのが「ホワイトナイト(白馬の騎士)」です。

 ただ敵対的買収が悪いと考えるのは早計です。買われた会社の経営陣が交代して業績が伸びる例などもあるからです。

2014/6/4
 

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