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もの知り投資学

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 今回は企業が決算で作成する「財務諸表」を見てみましょう。株主や債権者といった外部の関係者へ情報提供するための書類で「貸借対照表」と「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」の三つが代表的です。一定期間の経営成績や財産の状況が明らかになり、投資する際に役立ちます。

 貸借対照表は企業がお金をどのように調達したり、使ったりしたかという「財政状態」を示し、バランスシートとも呼ばれます。損益計算書ではどれだけもうけたのか、もしくは損をしたのかが分かり、キャッシュフロー計算書はお金の出入りの流れを表します。

 これらは「財務3表」と言われ、経営状況を判断する上で重視されています。企業が決算ごとにまとめ、貸借対照表と損益計算書は定時株主総会に提出しなければなりません。証券取引所に株式を公開している企業は、財務諸表の内容を含めた有価証券報告書の作成や開示も求められます。

 財務3表のほか、企業の財産の中で株主の持ち分である株主資本がどう変動したかを示す「株主資本等変動計算書」に注目する向きもあります。

 財務諸表を作成するには、複数の企業の業績などを比較できるように、会計基準という一定のルールに基づくことが必要になります。決算短信に表記されている「日本基準」や「米国会計基準」、「国際会計基準(IFRS)」がこのルールに当たります。企業がどの基準で短信を作っているかを明示しています。

 米国で上場している企業などは米国会計基準を採用し、現地と同じ基準で取引先や投資家に経営状況を知ってもらうといった狙いがあります。最近は世界各国でのビジネスに対応するため、国際的に基準を統一しようと奨励されるIFRSを導入する企業も増えています。

 次回からは貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書、会計基準について個別に取り上げます。

2018/3/7
 

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