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もの知り投資学

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 「総合取引所」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本経済の拡大を目指して政府が打ち出した成長戦略にも「総合取引所を速やかに実現する」という一文がありますが、耳慣れないかもしれません。

 総合取引所とは簡単に言うと、株式に限らず、投資対象となるさまざまな商品を1カ所で売買できる取引所のことです。あなたが投資を考えるとき、株以外に有望な商品があれば、その商品でもお金を運用したいと考えるでしょう。総合取引所はそういう人たちの期待に応えられると考えられています。

 日本で個人投資家によく知られている取引所としては、証券取引所のほかに、金や原油などの先物を扱う「商品取引所」があります。さらに外国為替証拠金取引(FX)などを扱う「金融取引所」もあります。

 このうち商品先物だけを扱う取引所は商品先物取引法に基づき経済産業省と農林水産省が所管し、金融商品取引法に基づいて金融庁が所管する他の二つと異なります。

 政府は、これらの機能を一つにして総合取引所をつくり、世界の投資家が魅力を感じられる市場を整備しようとしているのです。

 総合取引所構想が浮上した背景には国内の商品先物市場の深刻な低迷もあります。一方、海外の取引所では再編によって幅広い商品を一体的に取り扱うようになる事例が目立ちます。

 日本では東京証券取引所と、大阪証券取引所が経営統合して、2013年に日本取引所グループが誕生しました。取引所間の国際競争を生き残るためにも、総合取引所が必要だという声は、たくさんあります。

 日本取引所は東京商品取引所と合流することを期待していますが、東商取は明確な方針を明らかにしておらず、先行きは不透明です。ただ、合流の是非の判断を先延ばしして投資家の利便性向上が遅れれば、国内の商品先物市場の空洞化が一層進む懸念があります。

2014/8/27
 

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