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もの知り投資学

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 今回は証券会社の歴史を振り返ってみましょう。証券会社は国や企業が発行した「株」や「債券」など財産上の価値がある証明書を取り扱い、その売買による手数料を主な収入にしています。お金を必要とする企業などと余ったお金を増やしたい投資家の橋渡しの役割を果たしています。

 最初の株の取引は17世紀、オランダで行われました。西欧では商工業の発展に伴い、株式会社が続々と誕生します。

 日本では江戸時代に大阪の商人たちが遠く離れた産地でとれた米を取引する市場が生まれました。商人たちは現物の米だけではなく帳簿上の差額での決済も行い、後の株取引の下地ができました。

 明治維新後の1878年、東京と大阪に最初の株式取引所が設立され、全国各地で証券会社が誕生しました。第2次世界大戦の敗戦までの間、重化学工業の企業が発展したことなどから、取引は活発化しますが、ほとんどが大きな利益を狙った投機的な売買でした。

 敗戦により取引所は一時的に閉鎖されましたが、1949年に再開しました。この頃、証券会社は全国に約1130社を数えました。

 高度経済成長期には海外の証券会社が日本に進出しました。バブル期には、日経平均株価が史上最高値を付け、証券各社は好景気に沸きました。

 バブルが崩壊すると、大手証券が法人顧客の損失を肩代わりしていたことが発覚し、社会問題になりました。97年の金融危機で大手証券の一角、山一証券が破綻します。銀行との連携や中小の再編が進み、証券会社は2015年には252社になりました。

 現在では、野村ホールディングスや大和証券グループ本社などが五大証券と言われています。ネットの取引を専門にした会社も躍進しています。

 手数料収入は減少傾向にあり、投資信託の販売強化や顧客の資産を管理する営業形態への転換を進めています。

2017/9/20
 

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