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もの知り投資学

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 今回は民間の銀行の歴史を見てみましょう。資金が足りない人と余っている人を結び付ける金融業務を営む組織として、銀行は商業の高度化に伴って発展を遂げました。「経済の血液」といえるお金を循環させる役割を果たしてきました。

 古代から活動した両替商に、源流をたどることができます。中世のイタリアで両替商が使っていた「机」を指す言葉が英語のバンク(銀行)の語源とする説があります。

 大航海時代や産業革命を経て、経済が発達するにつれて、お金を預けたり借りたりできる銀行へのニーズが高まりました。日本でも江戸時代には両替店が小判や丁銀などを交換していました。

 明治時代に日本で最初に設立された銀行は、1873年に東京で開業した第一国立銀行とされています。その後は第一勧業銀行になりました。みずほフィナンシャルグループの母体の一つです。

 戦後は経済の安定を優先し、金融機関を横並びで保護する護送船団方式の金融行政が続きました。地価や株価が高騰したバブル期には、企業や個人への投機資金などの貸し付けが過熱しました。

 1990年代にバブルが崩壊すると、融資は焦げ付き、返済の見込みが立たない巨額の不良債権に苦しむ事態に陥りました。都市銀行の一角、北海道拓殖銀行は97年に破綻しました。

 90年代後半から金融ビッグバンといわれる大規模な制度改革が進み、金融持ち株会社の設立が解禁されました。規模拡大による経営状況の改善を狙い、都市銀行の再編が一気に進展しました。

 現在では三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど、大手銀行5グループに集約されています。

 近年、低金利の長期化に伴う貸し出し利ざやの縮小を背景に、経営環境の厳しさが改めて浮き彫りになっています。全国各地で地方銀行の経営統合が相次いでおり、今後の動きが注目されます。

2017/9/6
 

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