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もの知り投資学

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 株式の「信用取引」という言葉を耳にしたことがありますか。委託保証金(最低30万円)と呼ばれるお金を証券会社に預けて、その信用で保証金額の約3倍まで売買できるのです。

 手持ちの資金だけで売買する通常の取引に比べ売買額を増やせるので、利益も損失も大きく膨らむ可能性があり、経験の浅い投資家向きとは言えません。ただ、信用取引の仕組みを知っておけば、株価を予測する助けになります。

 信用取引で買い注文を出す場合、投資家は証券会社からお金を借りて株を購入し、決まった期限までにその株を売って、借りたお金を返します。株価が上がれば利益が手元に残り、下がれば損をするという具合です。反対に売るときは証券会社から株を借り、売却後に買い戻して株を返します。株価が下がれば買い戻すお金が少なくて済むので利益が出ます。

 信用取引をしている人が行い、最終的な決済のための売買が終わっていない取引の残高の合計が「信用買い残」「信用売り残」です。この残高から、将来の相場の動向に対する投資家の見方がうかがえるのです。

 例えばA社の株の信用買い残が急激に増えたとしましょう。お金を借りて買う投資家が増えたということは、今後A社株が値上がりすると見込んでいる人が多いと考えられます。逆に信用売り残が膨らめば、値下がりを予想する投資家が多いという読みが成立します。ただ、買い残の増加が長い間続くと予測が厄介になります。利益を確定させるために、そのうち多くの売り注文が出てくるからです。相場全体が好調なのに株価がなかなか上がらないという銘柄をみると、信用買い残が膨らんでいるという例が少なくないのです。

 売り残が多い場合はどうでしょうか。何らかのきっかけで相場が上昇に向かうと、投資家は慌てて買い戻しをするので、急激に株価が上がることもあります。株価が変わる背景には、会社の業績以外の要因もあることを知っておきましょう。

2014/4/9
 

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