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もの知り投資学

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 今回は「債務超過」について整理しましょう。ビジネスがうまくいかずに企業の財務体質が悪化し、借金の合計が資産の合計を上回った状態を意味します。仮に資産をすべて売っても借金を返せないことになります。

 信用が低下してお金を借りるのが難しくなり、証券取引所からは株式の上場廃止を迫られる可能性があるため、企業の存続が危うくなります。

 債務超過かどうかは、企業が決算時に作成する「貸借対照表」で確認できます。

 貸借対照表の左側はお金の使い道を示す「資産の部」で現金や建物、土地、保有有価証券が記載されています。一方、右側はどうやってお金を集めたかを表し、銀行融資などの「負債の部」と、株式を発行して得た資金や利益の蓄積である「純資産の部」に分かれます。左側と右側の合計額は一致します。

 経営が順調なら利益が積み上がって純資産が増加、財務体質はよくなっていきます。逆に赤字が続くと純資産は目減りします。マイナスになると、その分負債が膨らんで債務超過に陥ります。

 債務超過から抜け出すには、事業の絞り込みや経費削減などの経営再建策を実行して、赤字体質を改めるのが一般的です。説得力がある再建策を示すことができれば、新たな株式を発行して資本を手厚くすることもできます。

 債務超過解消は時間との闘いでもあります。金融機関が融資に慎重になるため、長引けばお金が足りなくなって倒産する恐れが高まります。また、東京証券取引所の規定では、2年連続で債務超過になると上場廃止になってしまいます。

 東芝は原発事業の巨額損失を抱え、2017年3月期決算で債務超過に転落しました。上場廃止を避けるには18年3月末までに解消する必要があり、半導体子会社売却や大型増資のとりまとめを急いで、当面の危機を回避しました。

2018/2/21
 

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