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もの知り投資学

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 株式の売買注文の際に出す1株の値段が「呼び値」です。通常なら売り手は1円でも高く譲り、買い手は1円でも安く手に入れたいと思うでしょう。でも実際は、その株の直前の値段によって、何円刻みで注文を出せるかが決まっています。

 東京証券取引所は3千円以下の株なら1円、3千円超5千円以下は5円、5千円超3万円以下は10円、3万円超5万円以下は50円などと刻み幅を決めていました。

 呼び値は、処理ができなくなるくらいに注文が増えることを防ぐために導入されました。でも、仮に直前の株価が5千円だった株を、5001円なら買うという人がいても、値上がりすれば最低でも5005円ですから買わなくなります。

 最近はコンピューターを使い高い頻度で注文を自動的に出す機関投資家が増え、1円の値動きが大きな利益につながります。証券取引所の取引システムの性能も高くなりました。

 そこで東証は、売買量などを基準に絞り込んだ市場1部の100銘柄に限って、ことし1月14日から刻み幅を小さくしました。例えば、10円刻みだったトヨタ自動車やソフトバンクは1円刻みになりました。

 東証は第2弾として7月に、この100銘柄のうち5千円以下の銘柄に50銭や、10銭刻みの呼び値を導入する予定です。さらに、これらの結果を踏まえ来年半ばに東証全体の呼び値を見直す計画です。

 ただ、個人投資家にはあまり歓迎されていないようです。自動で売買ができる機関投資家と異なり、価格情報が増えすぎるとかえって投資判断がしづらくなると考える人や、値動きが小さいと1回の取引の利益が少なくなって魅力が低下すると感じる人たちもいるからです。

 今後、売買環境が大きく変化することが考えられるので、株式への投資を考えている人は呼び値をめぐる動きに注意した方がいいでしょう。

2014/3/19
 

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