商品先物や外国為替証拠金取引(FX)、未公開株-。投資への関心が高まると、損をする恐れなどについて十分な知識を持たないまま、高齢の人たちが強引に投資話に引き込まれるケースが目立ちます。消費者金融からの過剰な借り入れが社会問題になったこともあります。
こうした問題をなくすために重視されるようになったのが「金融リテラシー」です。リテラシーは、もともと読み書きをする能力を指します。投資を含む金融の分野では最低限、身に付けるべき知識・判断力のことを言います。
具体的にみましょう。家計を維持するには投資でもうける以前に収入の把握とそれに見合う支出を習慣づける必要があるでしょう。さらに出産や子どもの進学など、将来の「ライフイベント」を見据え、預金などで備えることも欠かせません。
次の段階からは、金融商品などに関する詳しい知識を吸収していくことが求められます。
第一に、お金をだまし取られるようなことがないよう信頼できる業者を見分ける力が必要です。インターネットを使った取引は便利ですが、コンピューターに不正なアクセスをしてお金を横取りしようとする悪質な集団があることなども知っておきたいものです。
これから投資をしようとする商品がどんな場合にもうけが増え、どんなときに元本割れの恐れがあるのかといった情報も積極的に手に入れるようにすれば、後悔しないでしょう。業者に払う手数料に関しても詳しく調べましょう。
損害保険や生命保険では、どんなケースで保険金を受け取ることができるのか理解しておかないと、支払いの申請をしそびれることにもなりかねません。
学ぶべきことは、たくさんあります。今は、役に立つ情報がインターネット上にかなり公開されています。各都道府県の「金融広報委員会」が開く講演会や学習会などへの参加も有用です。