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もの知り投資学

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 投資にそれほど興味がない人にもアベノミクスという言葉は、浸透したようです。一昨年12月に発足した第2次安倍晋三政権が打ち出した一連の経済政策のことで、景気の悪化につながるデフレからの脱却が目標です。昨年は株式市場で大歓迎されましたが、今は厳しい見方も増え、正念場にさしかかったといえそうです。

 アベノミクスの柱になっているのは「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の三つの基本方針で、「三本の矢」と言われます。

 株価や円相場は、特に世の中に流通するお金を増やす金融政策に敏感に反応しました。円のドルに対する価値が下がると予想する人が増えて、円安が進みました。さらに円安で自動車や家電などの企業業績が回復すると期待されて、株価も急上昇したのです。

 ところが、ことしに入ると沸き立つような市場の熱狂ムードは影を潜めました。工場の海外移転が進み、円安でメーカーが受ける恩恵は以前ほど大きくない一方、輸入品の値上がりが顕在化するなど円安の弊害が認識されてきたのが一因です。

 さらに、4月には消費税の税率が8%に引き上げられて、消費の低迷を招きました。

 安倍政権の下で株価に加え、大都市の商業地の地価なども上がりましたが、都市部とそれ以外の経済格差が開いたという指摘もあります。

 こうした、さまざまなことが重なって「アベノミクスは失敗ではないのか」という意見も目立つようになったのです。

 10月に日銀が追加金融緩和に踏み切って株価は一段と上昇。円安も加速しましたがバブルを懸念する声もあります。すでに指摘された問題を考えればアベノミクスの評価をどれだけ高めるか判断しにくいでしょう。将来、消費税率がさらに10%へ引き上げられれば、景気に大きな悪影響が出るかもしれず、投資家は目を離せません。

2014/11/19
 

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