今回からしばらくの間は「投資信託」について学びます。
「投資はしたいけど、何に投資していいか分からない」。そうした悩みを持っている方は多いでしょう。投資信託は、投資の初心者でも始めやすい金融商品の一つと言えます。
大まかな流れは、専門の運用会社が投資家から集めた資金を株式や債券などに投資します。そして、その投資で得た資金を投資家に返します。投資信託はいわば「投資の代行業」です。
株式投資との違いを比較しながらみてみましょう。株式の場合は投資家自らが銘柄を選んで投資しますが、投資信託は専門家が集めたお金を一つにまとめて株式や債券など、いろいろな種類の商品に投資します。投資対象は一つではなく、さまざまな銘柄がミックスされているので、ある銘柄の価格が大きく下落してもリスクが分散されるため株式投資よりも損失を抑えた運用ができます。
株式は、銘柄によって買うのに何十万円もかかるなどまとまった資金が必要な場合がありますが、投資信託は多くの場合1万円程度と比較的少額で投資できるのも特徴です。また投資信託は専門家が代行して運用してくれるので、投資の知識などが十分ではなくても海外の株式などにも手軽に投資ができます。
メリットばかりを挙げましたが、良い点ばかりではありません。運用を専門家に任せるので手数料を取られるほか、プロによる運用とはいえ、市場環境によっては大きな損失が発生することもあります。銀行預金とは違い、元本は保証されていません。
それでも投資信託の人気は根強く、資産総額は増加傾向にあります。2014年からは株式と投資信託で得た利益が非課税になる「少額投資非課税制度(NISA)」が始まったことも人気を後押ししています。
次回以降は実際にどうやって投資信託を買うかや、どんな種類があるかなどを見ましょう。