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 阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災者らを見守り、支えてきたNPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」(神戸市西区)が3日、解散を決めた。活動をけん引した前理事長の黒田裕子さんが昨年9月に亡くなったこともあり、区切りを付けた。「助かった命」を重んじ、寄り添い続けた20年。メンバーは「思いは受け継ぐ」とし、活動は形を変え各地で残っていく。(阿部江利)

 「このままでは、お年寄りがバタバタ死んでしまう!」

 震災直後の1995年1月20日、神戸市内で、後に同ネット発起人の一人となる中辻直行さん(故人)らが声を上げた。寒さに震え、食事やトイレに困っていた高齢者。急いで場所を確保し、医師らが対応したのが始まりだった。

 6月には、同様の活動をしていた黒田さんも合流し、同ネットが発足。市内最大だった西区の西神第7仮設住宅に拠点を設けた。

 「絶対に孤独死を出さない」が合言葉。行政の手が届かない24時間の見守りを始めた。同ネット理事長で医師の梁勝則(リャンスンチ)さん(59)は「そんな取り組みは例がなかった。まさに現場から出てきた発想」と振り返る。

 仮設から復興住宅へと移ると、心の問題が浮かび上がる。

 99年には、地下鉄伊川谷駅構内に「伊川谷工房」を設けた。お茶会を開き、寂しさを癒やす。

 取り組みは、東北にも広がった。宮城県気仙沼市内の避難所や仮設住宅で24時間の見守りを実施した。

     ◇

 中辻さんが2013年に亡くなり、14年には黒田さんも逝った。メンバーも多くが65歳を超えた。

 伊川谷工房は3月末に閉じる。復興住宅から10年近く通った濁池文子さん(76)は「ここは最高やった。なくなるんはつらいですわ」と涙を浮かべる。

 東北からも3月末で引き揚げる。気仙沼市面瀬中仮設住宅の尾形修也自治会長(70)は「神戸の方々に教わったように、地域で連携し支援が切れないようにしたい」と力を込めた。

 同ネットの宇都(うと)幸子事務長(70)は「高齢者の見守りは今も不十分。黒田さんと同じようにはできないが、それぞれの現場で引き継いでいく」。今後は有志で任意団体を作り、復興住宅の支援を続けたいという。

2015/3/4

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