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「神戸レインボーハウス」の20年の歩みをまとめた冊子を手にする伊藤道男さん=神戸市東灘区本庄町
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「神戸レインボーハウス」の20年の歩みをまとめた冊子を手にする伊藤道男さん=神戸市東灘区本庄町

 阪神・淡路大震災の遺児らを支援するあしなが育英会の「神戸レインボーハウス」(神戸市東灘区)の20年誌が完成した。心のケアを訴えてきた歩みや、ケアを受けた遺児が他の遺児を励まし国内外に活動が広がってきた実績を紹介。阪神・淡路の遺児は全員成人したが、「今後も親を失った子どもの心と育ちを支える」と誓う。(阿部江利)

 同施設は1999年に完成。同会の調査によると、阪神・淡路で遺児573人を確認。遺児が黒い虹を描いたことで、心が傷ついていると気づいたのが設置のきっかけとなった。遺児や保護者らのべ約2万8千人が行事や心のケアに利用した。

 阪神・淡路後、世界では大災害が相次ぐ。同施設の遺児たちは被災地のトルコや台湾などへの街頭募金を実施。追悼式典に参列したり、遺児との交流を担ったりもした。

 20年誌には遺児や関係者らの寄稿を載せ、遺児が亡き親に宛てて書いた手紙も再掲した。

 同施設評議員を務める樽川典子・筑波大准教授は、「震災遺児」を、震災で死別を経験した20歳未満の子どもと、子ども時代に震災で家族の死を経験した人という二つの意味があると説明。同施設は前者の支援の役割を終えたとしつつ、今後も「遺児」という運命を生きるのに必要な支援を続けるべきと訴える。

 同施設のOBやOGは、遺児のつどいや他の災害遺児との交流などについて思いを寄稿。「何のために震災で助かり、生かされているのか考えるようになりました」「ただ自分たちの話を聞いてくれて、自分の存在を認めてくれるような人が必要」など、心の変化や経験をつづる。

 伊藤道男課長は「精いっぱい生きてきた遺児たちの歩みに、編集作業も涙なしには進められなかった。『他の遺児を支えたい』と申し出る遺児が少なくないのは一つの成果の表れ」とする。

 1万部発行。A4判。77ページ。無料だが募金は受け付ける。同施設TEL078・453・2418

2016/1/15

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