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紙芝居を使い、長谷川元気さんの体験を伝える松本涼平さん(右)ら=神戸市立塩屋北小学校
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紙芝居を使い、長谷川元気さんの体験を伝える松本涼平さん(右)ら=神戸市立塩屋北小学校
防災のワークショップで参加者に語り掛ける長谷川元気さん=神戸市内
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防災のワークショップで参加者に語り掛ける長谷川元気さん=神戸市内

 阪神・淡路大震災後に生まれた神戸学院大の学生らが、震災で母と弟を亡くした小学校教師、長谷川元気さん(29)=神戸市東灘区=の姿を描いた紙芝居を作り、それを使った出前授業を小学校で始めた。長谷川さんにインタビューを重ね、半年がかりで8枚の絵と文章を作成。震災後の喪失感や夢を追う決意などの思いを、学生がバトンをつなぐように受け継ぎ、児童に伝えている。

(上田勇紀)

 同大で防災を学ぶ9人。震災の教訓を次の世代につなぐため、人と防災未来センター(同市中央区)などが進める取り組みの一環で、昨年7月に作り始めた。

 9人は兵庫県内で生まれ育ったが、震災については小学校の防災学習で短時間学んだ程度だった。同大で指導する舩木(ふなき)伸江准教授(38)が、長谷川さんが所属する震災の語り部グループで活動している縁で、学生も直接話を聞けた。

 長谷川さんは小学2年の時、住んでいた同市東灘区のアパートが全壊。母規子(のりこ)さん=当時(34)=と末の弟翔人(しょうと)ちゃん=同(1)=を亡くした。現在は同市兵庫区の市立明親小学校教師を務める。

 学生は昨年11月、2回にわたって計約6時間、インタビュー。長谷川さんは「大切な人が突然いなくなるかもしれない。後悔しないよう、感謝の気持ちを伝えてほしい」と強調した。同大2年の松本涼平さん(20)=赤穂市=は、高校2年の時に交通事故で意識不明の重体になったことがあり、「共感できる思いがあった」。

 作成過程では、長谷川さんが被災直後に座ったベンチの描写など細部まで話し合い、あの日からの日々を想像し合った。長谷川さんが担任の言葉に励まされ、教師を目指したことから、学生も夢を持つことの大切さを胸に刻んだという。

 学生はこのほど、神戸市垂水区の市立塩屋北小学校で、3年生に紙芝居を使った授業をした。松本さんは授業の最後、「周りにどんなに大事な人がいるか、考えてほしい」と児童に問い掛けた。藤原基行君(9)は「仕事頑張ってとか、ありがとうとか、家族に言いたい」と話した。

 今後も依頼に応じて小学校で授業をする予定で、「将来的には学校の先生が使える教材にできれば」と舩木准教授。長谷川さんは「自分が言いたいことを広く伝えられ、語り継ぎにつながる」と期待する。

2016/1/6

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