連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
借り上げ契約の期限を迎えた住宅で、活動を振り返る丹戸郁江さん(右)と橋本敬子さん=30日午後、神戸市兵庫区駅南通5(撮影・笠原次郎)
拡大
借り上げ契約の期限を迎えた住宅で、活動を振り返る丹戸郁江さん(右)と橋本敬子さん=30日午後、神戸市兵庫区駅南通5(撮影・笠原次郎)

 神戸市が都市再生機構(UR)から借り上げ、阪神・淡路大震災の被災者に提供した復興住宅のうち、「キャナルタウンウェスト1~3号棟」(同市兵庫区)で30日、同市とURとの借り上げ契約が切れた。継続入居に向けて、3世帯が神戸市との話し合いを求めているが、退去と損害賠償を求め提訴する方針の市は応じず、平行線のまま期限切れとなった。

 入居者の一人丹戸(たんど)郁江さん(72)は、体調への不安を抱えながら30日の期限を迎えた。震災で住んでいたマンションが全壊、避難生活を経て借り上げ住宅に入居した。当時は20年後に退去を迫られるとは思ってもいなかった。

 5年前に乳がんが分かり、抗がん剤治療中に期限があることを知った。その後、次第に歩きにくくなる病気にもかかっていることが分かった。いつ動けなくなるか分からない中、近くに住む妹夫婦の手助けを頼りに暮らす。「ここを離れて生活できない」と継続入居を求めてきた。

 心身ともに疲れがたまり、熟睡できない日が続く。30日、同じく退去を迫られ、支え合ってきた橋本敬子さん(53)が丹戸さん宅を訪れた。2人は「市と争いたい訳ではない。住み続けるために話し合ってほしい」と語った。

 すでに転居した人の思いは複雑だ。約3年前に同市長田区に移った女性(71)は「残れるものなら残りたかった」とこぼす。心臓手術で入退院を繰り返し、体調が万全ではない中で転居。借り上げ問題の報道を見るたび、仲の良かった住民と離れた寂しさが募る。「誰もがそのまま暮らしたいはず。年齢など一律の基準でなく、本当に転居できるかなどをしっかり判断してほしかった」と話す。

 神戸市役所ではこの日、住宅整備課の職員が朝から待機し、入居者からの転居予約の連絡を待った。午後7時までと期限を定めていたが、入居者側から電話はなく、担当者は「これまで期限を説明しほかの住宅をあっせんしてきたが、一部の方にご理解いただけなかったのは残念」とした。(高田康夫、阿部江利)

2016/1/31

天気(6月25日)

  • 29℃
  • ---℃
  • 0%

  • 28℃
  • ---℃
  • 0%

  • 31℃
  • ---℃
  • 0%

  • 32℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ