人と防災未来センター(神戸市中央区)による自治体職員向け災害対策研修の参加者が3日、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた同市兵庫区の松本地区を訪れた。タブレット端末に、訪れた場所の震災直後の被害映像などが出るアプリを使い、復興の状況を学んだ。
研修には全国から約80人が参加した。アプリは同センターが制作。タブレットを操作すると、その場所の震災直後の様子を映像や写真で見ることができ、今回初めて活用した。
参加者は端末で20年前と現在の街並みを比較するとともに、住民から復興土地区画整理の歩みや防災の取り組みを聞いた。
火災で多くの住宅が焼失した同地区では、消火にも役立つせせらぎを道路沿いに整備し、住民が管理。和歌山県防災企画課の吹上菜津美さん(25)は「自主的に動く住民の存在が大切だとあらためて感じた。アプリの活用は防災に役立つと思うので参考にしたい」と話した。
(磯辺康子)