連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

尼崎連続変死事件公判

  • 印刷

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の次男角田優太郎被告(28)の裁判員裁判第22回公判が23日、神戸地裁であった。マンションのベランダ物置で2008年12月に死亡した仲島茉莉子さん=当時(26)=の殺人・監禁事件について、角田家に一時出入りしていた女性が検察側証人として茉莉子さんの衰弱状況を証言した。

 検察官と女性の主なやり取りは次の通り。

 -あなたとご主人は、パチンコ店に来ていた角田家の人々と知り合い、尼崎のマンションに遊びに行くようになった。茉莉子さんについて、どのように聞いていたか。

 「美代子おばちゃんから『逃げて捕まえた。納屋に入れている』と聞きました」

 -茉莉子さんを直接見たことは。

 「08年秋ごろ、夫と2人で食事に呼ばれました。美代子おばちゃんから『あの子たちを連れてきなさい』という話が出て、みんなでいたリビングに、茉莉子さんと夫の康司さん(仲島康司被告)が来ました」

 -2人の格好は。

 「2人とも裸で、茉莉子さんだけおむつをしていました」

 -どう思ったか。

 「びっくりして怖かったです」

 -茉莉子さんのやせ具合について。

 「ガリガリで骸骨のような、栄養失調のようなやせ方でした。あばらが見えているような感じ。(肌が)黒く汚れていて、顔もパンパンに腫れていてあざができていました」

 -髪型は。

 「てっぺんが刈り上げられていました」

 -康司さんは。

 「体が汚れていて、ガリガリ。丸刈りでした。顔に少し傷がありました」

 -どのくらいの距離で見ていたか。

 「2メートルくらい。2人の下には段ボールが敷かれていました。美代子おばちゃんが『汚れるから敷きなさい』と」

 -別の機会にも茉莉子さんを見たか。

 「美代子おばちゃんや優太郎君たちとカラオケに行った時、茉莉子さんもいました。その時も手脚がすごく細くて、顔もまだパンパンに腫れていました」

     ◇     ◇

 優太郎被告の弁護人と女性の主なやり取りは次の通り。

 -裸の2人がリビングに来た時、あなたはご主人に何か言ったか。

 「『怖い』『やばいな』とこそっと言いました。現状が何かおかしいと」

 -警察に通報しようとは。

 「思ったんですけど、美代子おばちゃんの威圧感もあったし、『自分が同じようなことをされるのでは』という恐怖感もあったので、できなかった。まさかこんな事件になるとは思わなかったです」

 -カラオケの時は、茉莉子さんは何か歌っていたか。

 「美代子おばちゃんに『歌いなさい』と言われ、おばちゃんの選曲で1曲歌っていました」

 -茉莉子さんの歌を聞いてどう思ったか。

 「上手でした」

-あなたの調書には「茉莉子さんの歌は想像できないくらいうまかった。高音や音を伸ばす部分もしっかり歌い上げていた」とある。「時折ほほ笑んでいるようでした」とも。

 「本心から喜んでいる感じではなかったけど、(歌っている間は)一時的には気が楽だったのかなと思いました」

2015/1/23
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • 28℃
  • 40%

  • 33℃
  • 25℃
  • 50%

  • 34℃
  • 28℃
  • 20%

  • 34℃
  • 27℃
  • 40%

お知らせ