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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の次男、角田優太郎被告(28)に対する裁判員裁判の判決公判が18日、神戸地裁であった。増田耕児裁判長は「角田家の犯罪に角田家の一員として関わった」として、起訴された5事件全てで元被告らとの共謀を認定、懲役17年(求刑懲役25年)を言い渡した。

 裁判員の選任期間は132日間で、2009年の制度導入以降では過去最長。元被告の親族で起訴された7人のうち、裁判員裁判の判決は初めて。

 優太郎被告は、05年7月に沖縄の崖で転落死した角田久芳さん=死亡時(51)、08年12月にマンションベランダの物置で死亡した仲島茉莉子さん=同(26)=への2件の殺人罪など、5事件で起訴された。弁護側は茉莉子さん事件で無罪主張するなど、4事件で罪の成立を争ったが、判決はいずれも弁護側の主張を退けた。

 増田裁判長は優太郎被告について「衣食住が満たされる角田家の生活を続けるため、角田家の犯罪に関与する動機があった」と指摘。久芳さん事件について「虐待で死ぬ以外に選択できない状況にし、被告も死ぬのを渋る久芳さんにつかみかかるなど重要な関与をした」、茉莉子さん事件も「死ぬ危険を認識しながら虐待を続けた」とし、いずれも殺人罪を認定した。

 精神科医の診断から「困難な事態に直面すると、無関心に陥る心理状態が事件に影響した」とする弁護側の主張も「事件前の写真ははしゃぐなどしており、採用できない」と退けた。

 【尼崎連続変死事件】 2011年11月、尼崎市の貸倉庫でドラム缶に入った女性の遺体が見つかったのを端緒に、角田美代子元被告=自殺時(64)=の周辺で不審死や行方不明者が相次いでいることが発覚。一連の捜査で男女8人の死亡が確認された。兵庫県警は元被告と親族7人、知人3人を逮捕したが、元被告は12年12月に留置場で自殺した。今月19日には親族の仲島康司被告(45)の判決があり、残る親族5人も公判前整理手続きが神戸地裁で進められている。

2015/3/18
 

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