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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田優太郎被告(28)と仲島康司被告(45)に対する裁判員裁判の判決公判が18、19日、それぞれ神戸地裁で開かれる。角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族で起訴された7人では初の判決。検察側は5事件で起訴された優太郎被告に懲役25年、3事件で起訴された康司被告に懲役20年を求刑。一連の事件を首謀したとされる美代子元被告の下での両被告の立場や虐待への関与について地裁がどう判断するか注目される。公判でのやりとりを中心に背景をまとめた。(長谷部崇)

 親族らによると、角田家で暮らしていたメンバーには、美代子元被告を頂点にピラミッド式の序列があったという。元被告は義妹の三枝子被告(61)や次男優太郎被告ら近親者を優遇。同居して数年の角田瑠衣被告(29)と李正則被告(40)も家族扱いしたものの、利用した店へのクレームなどを担当させた。

 過去に逃亡するなどした仲島茉莉子さん=死亡時(26)=や橋本次郎さん=同(53)=らは家族から一線を引かれ、格下扱いされた。立場は常に不安定で元被告の機嫌を損ねれば虐待の標的になったという。

 いったん虐待の対象になれば家の中で「一番下の立場」(瑠衣被告)となり、元被告は全員に無視させるなどして孤立させ、集中攻撃した。この構図を検察側は「集団いじめに似ている」と表現。虐待対象に話し掛ければ、今度はその人が標的にされた。

 2008年に逃亡先から連れ戻され、虐待を受けた茉莉子さんと夫康司被告は、逃亡中の互いの言動を元被告に暴露し合った。

 「熱したフライパンを胸や腹に押し当てられた」とする康司被告は虐待の恐怖から元被告の顔色だけを伺うようになり「茉莉子のことは考えなくなった」と説明。元被告に命じられれば、茉莉子さんを本気で殴り倒すこともあったという。

 一方、優太郎被告について検察側は「安全で優越的な立場におり、苦しむ被害者を見てさげすむなどした」と主張。弁護側は「元被告を恐れ、その意向に従っただけ」と反論している。

2015/3/15
 

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