連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

尼崎連続変死事件公判

  • 印刷

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の内縁の夫、鄭(てい)頼太郎被告(65)ら3被告に対する裁判員裁判の第2回公判が14日、神戸地裁で開かれ、総括的な被告人質問があった。鄭被告と弁護人の主なやりとりは次の通り。

 -美代子元被告を知ったいきさつについて。あなたがアルバイトしていた尼崎のスナックで紹介された。

 「はい」

 -結婚は23歳の時。

 「はい」

 -プロポーズはどちらから。

 「私から」

 -どこに引かれた。

 「私とは気性が違い、気が強くてぐいぐい引っ張っていってくれるところに」

 -あなたはおとなしくて引っ込み思案だが、引っ張ってくれると。ところが、結婚後も三枝子被告が同居していた。美代子元被告に理由を尋ねたことは。

 「質問したことはありません。当然と思っていたので」

 -結婚して一緒に暮らす上で不満もあったと思うが、あなたの小遣いとか、生活していく上での希望は聞いてくれたのか。

 「いえ」

 -角田家にいくらお金があるとか、いくら借金があるとか知らされていた?

 「聞いても教えてくれませんでした」

 -元被告とけんかしたことは。

 「結婚する前は。もちろん、口では到底勝てないです」

 -口論になっても歯が立たない。いつも言い負かされてしまう。

 「はい」

 -反論もなかなかできない。正しいと思うこともなかなか言えなくなり、意見もしなくなった。

 「はい」

 -あなたが角田家でしていたことは。

 「運転手と雑用。あとは日曜大工」

 -あなたも元被告のもとから逃亡したことがある。

 「2000年、美代子が窃盗容疑で逮捕された時、石川県に逃げました」

 -どうなった。

 「2、3カ月もたたないうちに見つかりました」

 -連れ戻された。ただじゃ済まなかった?

 「はい。トイレの洗剤を目に」

 -トイレの洗剤を目に?

 「はい」

 -「目に入れろ」と元被告が命じたのか。目に入れたら失明してしまう。

 「はい」

 -2回ほど自分で目に入れて、そばにいる人にも入れられた。

 「はい」

 -それで終わった。

 「その後、まだ見えるもんで『まだ見える』と言ったら、美代子が『大工道具の中から千枚通しを出してこい』と言いました」

 -アイスピックのような物。それをどうした。

 「両目を突かれかけました。『目だけはやめてくれ』と頼んだ」

 -許してくれたのか。

 「はい。『あたしがこれからすることにあんたは口出すな』と」

 -あなたは今、歯が前歯の4本しかない。拘置所ではご飯やお漬物とか出ると思うけどどうしてる。

 「そのまま飲み込んじゃう」

 -漬物とか堅いのに?

 「そう」

 -虫歯になった原因だが、治療には行けなかった。

 「美代子に行かせてもらえなかったです」

 -なぜ。

 「美代子が虫歯になった時、ベッドの上で転げ回って『痛い、痛い』って。その時に私が笑ったんです」

 -それで、あなたには「もう歯の治療はさせない」となった。

 「はい」

2015/5/14
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 50%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 34℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ