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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義妹の三枝子被告(62)ら親族3人の裁判員裁判第4回公判が20日、神戸地裁で開かれ、三枝子被告に対する被告人質問があった。

 検察側との主なやりとりは次の通り。

 -2001年にあなたと久芳さんは夫婦になった。恋愛感情はなかったのにどうして結婚したのか。

 「久芳さんが(患っていた)頸椎(けいつい)脊髄症の手術をする時に、久芳さんに身内がいるのといないのとでは病院の扱いが違うだろうというのと、久芳さんにかけていた年金がもったいないということで美代子が(結婚を勧めた)」

 -久芳さんの事件は04~05年に起きた。04年末ごろの角田家の家計は?

 「苦しかったです」

 -家計が苦しい状況を解決するためにしたことは。

 「自分が死んで、借金を返すと美代子に言った」

 -それに対して美代子元被告は。

 「『自殺じゃ保険金は出えへんで』というのと『あんたがおらんようになったら困るやろ』と」

 -その後は。

 「久芳君に話が行きました。美代子は久芳君に『悪いけど先逝ってくれるか。私はやっつけたいやつが3人おるからまだ逝けない』と」

 -久芳さんは何と答えた?

 「分かったと」

 -ただ、久芳さんはなかなか自殺に踏み切れなかった。あなたは当時、どう思っていた。

 「家計は火の車で、逝く(自殺する)なら、早く逝ってほしいと思っていました」

 -当時、あなたがつけていた日記で、久芳さんについて「根性なし」と記載があるのは。

 「それは美代子の言い方で、自分もそう思っていたから、そう書いたのだと思います」

 -なかなか自殺できないことに対して?

 「はい」

 -久芳さんが正座させられている様子を映した動画が残っている。男女の笑い声が聞こえるが、この声は。

 「私の声だと思います」

 -撮影しているのは?

 「私です」

 -久芳さんは沖縄「万座毛」で亡くなった。保険金など、総額でどれくらい角田家に入った?

 「7500万円ぐらいあったと思います」

   ◆  ◆

 弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -久芳さんとの結婚に抵抗は?

 「元の戸籍を捨てて角田家に入る時は抵抗があったが、その後はそういうこだわりがなくなったので(抵抗しなかった)」

 -自殺を美代子元被告に促された久芳さんは、本当は断りたかったのだろうか。

 「それはないと思います」

 -断らなかったのか、断れなかったのか。

 「断らなかったのだと思います」

 -どうしてそう思う?

 「家族観というか、私も久芳君も、角田家の家族のためなら命を捨てるという覚悟ができていたから」

 -久芳さんが沖縄「万座毛」で死ぬ前日、家族それぞれが個別に久芳さんと別れのあいさつを交わした。あなたはどんな言葉を?

 「まず久芳さんの方から『こんなきれいな所に連れてきてくれてありがとう』と手を差し出してきた。私は『先逝かせてごめんな、私も必ず逝くから』と握手しました」

 -久芳さんが飛び降りる直前の記念写真を撮ったのはあなた。久芳さんが飛び降りたのは見たか。

 「よう見いひんで、シャッターを押した後、自然を装ってる風で横向きました」

 -久芳さんに「私も必ず逝くから」と言った。その後、あなたも自殺しようとした?

 「はい、09年の12月31日に」

 -なぜ?

 「また借金が膨らんだのと、私が自殺でもおりる生命保険に入っていたし、美代子といるのがしんどくなってきていることもあった。それと、美代子は『三枝子が死んだら私も死ぬ』と普段から言ってたので、子どもたちのためにも、私が死ぬことで美代子も死んでくれへんかと、かすかな希望を持っていました」

 -どういう方法で自殺しようとした?

 「死にたいのだけど、怖くて死にきれなかったので、怖くない方法で、睡眠薬や精神薬など、ため込んでいたものを飲み干しました」

2015/5/20
 

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