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尼崎連続変死事件公判

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 2件の殺人罪などに問われた仲島康司被告(45)の裁判員裁判第4回公判が5日、神戸地裁であった。2008年にマンションベランダの物置で亡くなった妻茉莉子さん=死亡時(26)=に対する監禁・殺人罪などを審理。角田美代子元被告=自殺時(64)=の長男健太郎被告(32)が証人として出廷した。

 検察官と健太郎被告の主なやり取りは次の通り。

 -元被告の意向で仲島被告と結婚した茉莉子さんが、別の男性と連絡を取っていることが発覚した。

 「美代子が康司(仲島被告)に謝っていた。頭を下げていたのは見たことがなかったのでびっくりしました」

 -元被告にとって頭を下げることは。

 「屈辱的なこと。自分が茉莉子さんを薦めたから、康司に対して悪いと思っていたんだと思います」

 -茉莉子さんには?

 「『許さん』という気持ちだったと思います」

 -仲島被告が足の病気で入院したとき、元被告は頻繁にお見舞いに通った。

 「高級な弁当を持って行くこともありました。他にも入院した人はいますが、美代子がお見舞いに来たのは僕のときに1回だけ。あとはありませんでした。美代子が病院嫌いだからです」

 -その後、元被告から虐待を受けていた茉莉子さんと仲島被告はマンションから逃亡したが、連れ戻された。

 「美代子は連れ戻した茉莉子さんに『死んだ方がましな目に遭わしたる』と言っていた。逃げたことへの怒りがあったのと、以前から虐待していたからだと思います」

 -2人はどうなると思ったか。

 「茉莉子さんは許されるとは思わなかったが、康司は茉莉子さんに対する気持ちを切れば許されると思いました」

 -2人の差は。

 「美代子が康司を気に入り、茉莉子さんのことは嫌っていたからです」

 -元被告に物置に入れられた2人は何か話をしていたか。

 「茉莉子さんが康司に『まだ私に気があるよね』と聞き、『ない』と言われても、しつこく聞いていました。康司が最終的に気があることを認めると、茉莉子さんは手のひらを返して『気がない』と言い出し、康司は『だましたんか』と怒っていた」

 -茉莉子さんは自発的に言っていたか。

 「美代子が言わせていた。康司の茉莉子さんへの気持ちを断ち切らせるためだった」

 -怒った仲島被告は茉莉子さんに暴力を振るった。

 「突き飛ばしたり、グーで殴ったりしていた。腹が立ったのもあるし、美代子にけしかけられて殴ったのもあると思う。(茉莉子さんへの)気がないことを示すつもりもあったと思います」

 -仲島被告が茉莉子さんの居眠りを見つけたことがあった。

 「康司は『何寝てるねん』と言い、聞きつけた美代子が茉莉子さんを殴った」

 -見て見ぬふりはできないのか。

 「それはできません。角田家では虐待をかばうと、虐待されるので」

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/2/6
 

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