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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、2件の殺人罪など六つの罪に問われた仲島康司被告(45)に対し、神戸地裁は19日、事件全体で懲役15年を言い渡した。70日間に及ぶ選任期間を終えた裁判員3人と補充裁判員1人が判決後、会見に応じた。

 主なやりとりは次の通り。

 -長期の公判で負担に感じた部分は。

 A(50代男性) 週3日公判が入り、それ以外の月、火曜で一週間の仕事の段取りをせねばならず、きついものがあった。営業職だが、得意先にはあらかじめ事情を説明し、理解を頂いた。週3日というのが限度かなと。

 -仲島被告に対する印象は。

 A 最初は「人の良さそうな方だな」と思ったが、裁判で経過を聞くうち「流されやすい人なのかな」と。(人生の)分岐点というか、ターニングポイントで、自分の姿勢や意見を出さないまま今日に至っている感じがした。「職業がいくつも替わっているのはなぜか」と質問すると「長く同じ職場にいて、責任が重くなるのが嫌だった」という答えだった。「やっぱりそういうタイプの人なんだな」と感じた。

 B(50代女性) 「優しい性格」という証言もあったが、間違っていることを間違いと強く言えないから、こういう結果になったのかなと思う。

 C(男性) 流されやすく、意志も弱い印象を受けたが、人に恨まれるような存在ではないと思う。

 -角田美代子元被告は、なぜ一連の事件を起こしたと思うか。

 A どういう形にせよ、自分の家族というか、そういうものを作りたかったのかなと。自分の生まれ育った環境や恵まれなかった部分を踏まえ、自分なりに家族と言えるものを作ろうとしたのかなと思う。

 B 元被告の行ってきたことは、私では考えられないことばかり。どういう心理状態でそういうことをしたのか、理解できない。

 -公判では、美代子元被告による言いがかりの録音を聴く場面もあった。

 A 想像していたタイプのしゃべり方そのままだなと。声とかしゃべり方とか、エネルギーとか。被害に遭った人たちがこういう風に言われたんだなというのは分かりやすかった。

 B 怒鳴るだけで角田家を支配していた訳ではなく、アメとムチを上手に使い分けていたんだと思う。参考にはなった。

 -被害者の虐待状況などを撮影した写真や動画を見る機会も。必要と感じたか、心理的に負担を感じたか。

 D(60代男性) 検事さんと弁護士さんのやりとりがあり、その中で写真などの証拠が出てくると、頭の中では動画ができあがるみたいに鮮明にストーリーが浮かび上がった。

 -被告らは、なぜ元被告に服従してしまったと思うか。「自分なら」と考えたか。

 A (仲島被告は)いくらでも逃げる機会はあったかと思うが、そこ(角田家)に安住したのではないかなという気がした。

 -被害者3人に対して何か思いは。

 A 悲惨な暴行を受けて劣悪な環境の中で亡くなっている。ご冥福をお祈りしたい。

 B (26歳で亡くなった)仲島茉莉子さんは若くして、ああいう虐待を受けて亡くなって、本当に無念の思いがあったと思う。それぞれ自分の人生があったにもかかわらず、何の落ち度もなく、命を落としてしまったということに関しては「もっともっと、いろんなことができただろうにな」と思うと、私も涙が出てくる。本当に、こういう事件がなくなればいいなと思います。

2015/3/19
 

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