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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の養子で長男の健太郎被告(33)ら親族3人の裁判員裁判第5回公判が21日、神戸地裁で開かれ、2005年7月に沖縄の崖で転落死した角田久芳さん=当時(51)=に対する殺人と詐欺罪の審理が行われ、健太郎被告に対する被告人質問があった。

 検察側との主なやりとりは次の通り。

 -2004年末ごろ、角田家の家計が苦しいのは知っていた。知った経緯は。

 「美代子から部屋に呼ばれて『お金が苦しいんや』と。それから『うちが死ねって言ったら死んでくれるか』と」

 -何と答えた。

 「『はい』と答えました」

 -それは本心?

 「いえ、本心は怖かったです」

 -その後、久芳さんを部屋に呼んだ。美代子元被告は久芳さんに何と。

 「『お金残して逝ってくれるか』。ただ『今じゃない、回せるだけ回すから』とも言っていました」

 -結局、家計は回らず、再び久芳さんに死んでもらう計画が上がった。美代子元被告は久芳さんに何と伝えた?

 「『もう限界や、逝ってくれるか』と」

 -その後、久芳さんは尼崎のマンションから逃げて、連れ戻される。あなたはどう思った。

 「正直、死んでもらわなかったら困るなと。(自殺)できなかったら自分に回ってくるなと思っていました」

 -他の人は美代子元被告や久芳さんの前で何か発言したか。

 「(鄭)頼太郎(被告)が『わしが逝こか?』と言いました」

 -どういう意図の発言と感じたか。

 「久芳さんにプレッシャーを与えるためだと思いました」

 -それに対して美代子元被告は。

 「『あんたは(保険金が)安いからあかん』て」

 -久芳さんは、沖縄で自殺した。飛び降りた瞬間、あなたはどうした。

 「久芳さんの名前を叫びました。周りに怪しまれないようにせなあかんと」

 -その後に行った病院で誰かの印象的な行動はあったか。

 「頼太郎がうそ泣きしていました」

 -どうしてうそと?

 「病院出た後は普通だったからです」

   ◆  ◆

 弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -美代子元被告が決めたことに反対すると、どうなるのか。

 「出て行けと言われたり、無視されたりすることがある」

 -実際にあなたが外に出されたことは?

 「(被害者の仲島)茉莉子さんに対して態度が悪いと、(元被告の次男の)優太郎(受刑者)と(李)正則(被告)と3人で外に出されました。本当は話し合っちゃいけないんですが、3人で『どうする』と言って、武庫川でホームレスをしようかと相談して歩きました」

 -角田家からの連絡は?

 「お金は持てなかったが、携帯電話は持ってもよくて、途中、(角田)三枝子(被告)から電話があった。横に美代子がいるのは分かったけど、『帰って来ても絶対許さへん。そのまま死ね』と言われました。ただ、それではどうしようもないから、家に帰り、2人に『お前じゃないとあかん』と頼まれて、代表で土下座して許してもらいました」

2015/5/21
 

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