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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族3人の裁判員裁判第27回公判が31日、神戸地裁で開かれた。公判は同日、結審を迎え、元被告の義妹角田三枝子被告(62)の事件全体を通じた被告人質問があった。弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -元被告が2011年11月に逮捕された。その後の生活に変化は。

 「若い子が働き始め、子どもが幼稚園に行くようになるうちに、若い子たちが普通の生活を送れたらなと思い始めました」

 -あなたが逮捕されてから別の窃盗事件の裁判までで、(元被告の義理の娘)瑠衣被告のことで覚えていることは。

 「食事を丸々残していることがありました」

 -それを見てどう思ったのか。

 「食べんと死のうとしているんやないかと思いました」

 -なぜそう思った?

 「自分も(事件のことを)隠し通してるので毎日がしんどくて、食べんと死ねたらいいなと思っていたのがあったので、瑠衣もそう思ってやってるんちゃうかと思いました」

 -裁判の法廷で久しぶりに瑠衣被告に会った。どう思った。

 「やつれて、げっそりしてるように思いました」

 -傍聴席に来ていた(逮捕前の)優太郎受刑者もやせてげっそりしていた。なぜだと思った?

 「うそをつき通してるのがしんどいんかなと思いました」

 -あなたは一連の事件で角田家の中で最初に事情を話した。2人の姿を見るまでは正直に話をしようとは考えなかった?

 「考えてなかったと思います。隠し通そうと思っていたと思います」

 -正直に話そうと思ったきっかけは。

 「(取り調べで刑事から)『今日は任意で、健太郎(被告)と仲島康司(受刑者)を調べてます』と言われて、またうそつかせてしんどい思いさせるという気持ちになって。そう思った途端に、口からばーっと、涙も出てきて、しゃべろうと思ったんじゃないんですけど、口をついて出てしまいました」

 -正直に話すことは元被告を裏切ることにもなる。最初に話せば1番恨まれる。どうして話した?

 「瑠衣が死のうとしていると思ったことと、美代子から離れていたこともあって、子どもたちに普通の生活をさせてあげたいと思いました」

 -正直に話す内容には犯罪も含まれる。話せば子どもたちも裁判にかけられる。黙り続けた方がいいとは思わなかった?

 「普通のまともな生活をするにはきちんと隠し事なく、きれいな体になって、心を落ち着けて普通の生活をしてほしいと思いました」

 -正直に話したことを今どう思っている?

 「遅かったけど、これでよかったと思っています」

 -12年12月には元被告が自殺した。今、そのことについてどう思っている?

 「こんだけみんなの人生をかきまぜて、たくさんの方が亡くなってて、若い子らに罪を負わせて、自分だけさっさと何もせんと死んでいって本当にひきょうだと思います」

 -元被告と知り合ってからの人生について今はどう思っている?

 「たくさんの人が亡くなり、本当に不幸な人をたくさん作ってしまって、自分も何もできへんかって、考えばっかで実行せんかって…。美代子と関わらなかったらみな普通の生活を送れてたように思います」

 -後悔の気持ちがあるのか。

 「本当に、今でも考えてしまうことなんですけど、優太郎が私のおなかの中にいた時に、勇気を持って(元被告を)殺せてたら…。誰も亡くなる人もいなかったと思います」

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2015/7/31
 

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