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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘角田瑠衣被告(30)に対する裁判員裁判の判決公判が12日、神戸地裁であった。佐茂剛裁判長は、17歳で角田家の一員に取り込まれた影響を認める一方、「(犯行時に)自分の判断で追従した面も小さくない」と指摘し、懲役23年(求刑懲役30年)を言い渡した。

 一連の事件では元被告の親族ら7人が起訴され、一審判決は瑠衣被告が最後となる。

 瑠衣被告は五つの事件で、3件の殺人を含む計九つの罪に問われた。弁護側は「強烈な個性を持つ元被告に従ったにすぎない」と主張したが、佐茂裁判長は全ての罪で元被告との共謀を認定した。

 判決によると、瑠衣被告は元被告らと尼崎市のマンションに同居。2005~11年、角田久芳さん=死亡時(51)=を沖縄の崖から飛び降りさせて殺害し、姉の仲島茉莉子さん=同(26)、橋本次郎さん=同(53)=をマンションベランダの物置で監禁し、虐待を加えて衰弱死させるなどした。

 佐茂裁判長は「3件の殺人罪であることから極刑も十分考えられる」とした上で、特に久芳さん事件については「保険金目的の殺人で最も許し難い」と述べたが、瑠衣被告の暴行の程度などはいずれも元被告よりも小さいと判断した。

 量刑の決定にあたっては「元被告に家族を崩壊させられ、閉鎖的な集団生活の中で暴力を肯定する元被告の価値観を受け入れた」と瑠衣被告の境遇も考慮。親族らの各公判で事実関係を供述したことも「真相解明に貢献した」と評価した。

 判決後に接見した弁護人によると、瑠衣被告は「判決を尊重したい」と話したという。

2016/2/12
 

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