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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)の裁判員裁判第5回公判が22日、神戸地裁で開かれた。2007年12月に逃亡先の和歌山県から尼崎市に連れ戻された母、皆吉初代さん=死亡時(59)=に対する加害目的略取罪の審理で、被告人質問があった。

 弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -元被告らが初代さんを連れ戻しに行った07年12月以降に角田家で旅行に行ったことがある。

 「あります。香住の方に、正月明けぐらいに行ったと思います」

 -08年の正月明け。当時の初代さんの扱いは。

 「今思えば一番寛大で、楽しそうにしているのが一番多かったと思います」

 -旅先で、元被告が初代さんと写真を撮ることも。

 「普段、美代子が写真に入ることはめったにないので、(元被告と初代さんが)ツーショットで撮っているのが、すごくいい雰囲気なんじゃないかと思って記憶に残ってます」

 -昨日の被告人質問で「もし会えるなら初代さんに会いたい。母が好きだったことに今、自分も興味を持てている」と答えた。興味を持っていることとは。

 「拘置所に入ってからよく本を読むようになったんですけど、自分の実家にもあった本を読んでみると面白いと思うことがあった。いつも笑うようにしていて、それを能天気だと思っていたけど、嫌なことがあっても周りを巻き込もうとせず、最後まで人の告げ口もしなかった。私が話そうとしなかっただけで、話せば同じような価値観を持てたんじゃないかと思います」

 -あなたが問われているのは加害目的で連れ戻すという罪。元被告に、危害を加える目的があったように見えた?

 「見えませんでした」

 -でも実際には危害を加えている。

 「実際にしたことは間違いないので、傷害罪と言われるとその通りと思うんですけど、初めから危害を加える目的があって、と言われると違うなと思います」

   ◆  ◆   

 検察側との主なやりとりは次の通り。

 -「目的」という言葉には法的にはいくつかの解釈がある。元被告が初代さんに会い、初代さんが元被告の意に沿わないことをすれば、元被告はどうすると思った?

 「怒るだろうし、怒ったら手も出すだろうなと思っていました」

 -そして、和歌山に行く時、あなたはどうするつもりだったか。

 「美代子の怒りに合わせて、手を出すべき時には手を出そうと思っていました」

   ◆  ◆   

 裁判官、裁判員との主なやりとりは次の通り。

 -初代さんを迎えに行くことになった時点で「あなたが行動(暴力)に出るであろうことを予想していたのでは?」と聞かれたらどう答える?

 「そう聞かれたら、そういう風に想像していたというのが正直なところです。(角田家が皆吉家に乗り込んで来た)03年の時みたいにめちゃくちゃになるやろな、とは思ったし、なったらうんざりしてる場合じゃないわ、自分も行動に出な、と考えてました」

 -和歌山に行く時、加害目的で連れ戻す意図が元被告になかったと思ったのは、どういった言動から?

 「わくわくしている感じで『はっちゃーん(初代さん)、会いに行ったるからなー』とか1人で上機嫌にしてるのを見て、人に久しぶりに会いに行くという気分のように見えた。和歌山でひどいことも言ったけど、尼崎に戻ると決まった途端にすごく機嫌がよくなって、本人は隠そうとするけど、一緒に帰れることをはしゃいでいるようにしか見えなかったです。周りはひどくなると予想していたと思うけど、美代子にはそういう気持ちがなかったんじゃないかと思います」

 -角田家の収入について。収入源は分からなかった?

 「気になって聞いたことがあったけど、その時はものすごい貯金があると。『仕事せーへんの?』と聞いたら『金持ちは一年中は仕事せーへんのや』『うちとみえちゃん(元被告の義妹、三枝子受刑者)が稼げる時にがっぽり稼いでる』と言われました。『あんたが家計回してこうと思てるんか』と言われてそれ以上は聞けませんでしたが、『みえちゃんが電話1本でもうかる話つけてくれるから』というようなことをよく言ってたので、当時は私も信じて、とにかく大きなお金を動かすお金持ちなんだと思ってました」

2015/10/22
 

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