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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)に対する裁判員裁判第14回公判が20日、神戸地裁で開かれた。約2日半ベランダ物置で監禁されて死亡し、岡山県の海から遺体で見つかった橋本次郎さん=死亡時(53)=に対する事件の審理で、仲島康司受刑者(46)の証人尋問があった。弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -次郎さんの事件が起きた2011年ごろについて。当時、角田家の生活にだいぶ変化があった。

 「そうですね、だんだんと生活自体が変わってましたね」

 -ただ変わらなかった部分も。毎日、角田家で亡くなった方々に対して手を合わせていた。

 「はい。亡くなった方々を『仏さん』と呼んで、毎晩みんなで2、3分黙想して冥福を祈ってました」

 -では変わった部分は。

 「大きく違ったのは(それまでは)毎日常に美代子と行動していたけど、美代子といる時間が少なくなってきました」

 -近くの商店街を家族全員で練り歩くようなこともあったが、それもなくなっていった。

 「全くではないけれど、なくなっていきましたね」

 -元被告は香住や京都への旅行も好きだったようだけど。

 「それもやらなくなりましたね」

 -元被告は料理も得意だった。

 「そうですね、08年12月ぐらいまでは美代子が昼も夜も作ってくれてましたね。おいしかったですね」

 -料理もなくなっていった。

 「ほとんどなくなって、弁当やすしとか、それも盗んできたものを食べてましたね」

 -一緒に過ごさなくなってあなた方はどこに?

 「パチンコのためにいろんな所に遠征ですね」

 -いわゆる「パチンコ遠征」。何時ごろに家を出る?

 「朝出て2、3日や、1週間、長ければ1カ月泊まることもありました」

 -朝7時に出て夜帰るという日も続いた。それは週に何日くらい?

 「土日を除いてほとんど毎日行ってました」

 -土日は?

 「和歌山や奈良に『盗み』に行ってましたね」

 -メンバーは?

 「私、(李)正則(被告)、(元被告の養子で長男の角田)健太郎(受刑者)、(次男の)優太郎(受刑者)です」

 -そのメンバーは1週間ほとんど家にいないことになる。これはいることができなかったのか、それともいたくなかったのか。

 「健太郎、優太郎はいたくなかったからだと思います。私もいたくなかったです」

 -優太郎受刑者は元被告の悪口を言うこともあった。

 「そうですね。『ばばあ』『くそばばあ』と、美代子のいないところで言ってましたね」

 -元被告に聞かれたら…。

 「えらいことですね」

 -瑠衣被告の裁判で、証人出廷するのはこれで最後。瑠衣被告と会うのも、もしかしたら今日が最後になるかもしれない。何か瑠衣被告に言いたいことはあるか。

 「私にも言えることですが、瑠衣にも亡くなった方たちのことは忘れないでほしいです。ざんげの気持ちを持ち続けてほしいと思います。それと、不謹慎な話かもしれませんが、義理ではあるけど、僕は瑠衣のことを妹と思ってます。この先どうなるか分かりませんが、できることがあれば、瑠衣の子どもの支えになったり、助けになってあげたいと思います」

2015/11/20
 

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