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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、2件の殺人罪などに問われた仲島康司被告(45)の裁判員裁判第13回公判が26日、神戸地裁で開かれ、起訴された事件全体を通じた被告人質問があった。

 弁護人と康司被告の主なやり取りは次の通り。

 -あなたにとって、角田美代子元被告はどんな存在だった。

 「絶対的で逆らえない。えたいの知れない、何をされるか分からない怖さがありましたね」

 -腕力だったら、男性のあなたは勝てると思うが。

 「そういう怖さとは違いますね。しつこく、どこまでも追い掛けてくるような怖さを持っていましたね」

 -最初に、美代子元被告たちが異常だと気付いたのは。

 「最初に尼崎のマンションに行った時ですね。全員が仕事をしていなくて、常に団体行動。美代子の言うことを皆で聞いてるというか」

 -異常を感じて、関わりを持たずに生活しようと思ったことは。

 「東京で働いて美代子からの借金を返していくと申し出ましたが、また尼崎に行くことになりました。お金を借りて美代子に頭が上がらなくなっていたのと、美代子が(尼崎に来いと)しつこかった」

 -尼崎で自分から「働きたい」と申し出たことは。

 「僕が虐待されていた時に『お前、これからどうやって生きていきたい』と聞かれ、『仕事をさせてください』と願い出たことはありました。『1円も持ってないのに、どうやって仕事するんや』とか『ここから離れたいんか』とか言われ、させてもらえませんでした」

 -あなたが尼崎に来る前の2005年、沖縄で転落死した角田久芳さんのことは、どう聞かされていた。

 「美代子は『病気で亡くなった』と。僕たちが逮捕される1カ月ほど前、ニュースを見て知った。頼太郎(鄭頼太郎被告)に『久芳さんって、自殺だったんですか』と聞くと、『うん、そうだよ』と」

 -刑務所に行く覚悟は。

 「できています」

 -将来、まず何をすべきと。

 「社会に戻ったら仕事を探し、落ち着いたら、ご遺族や迷惑をかけた人たちのところに謝罪に行きたい」

   ◇   ◇   ◇

 検察官と康司被告の主なやり取りは次の通り。

 -角田家の共同生活で、あなたの食事代や生活費は誰が負担していた。

 「美代子です」

 -あなたが最初に美代子元被告らのマンションに行った時、どういう心境だった。

 「最初は僕も甘い考えがあって、大阪を見てみたいとか、観光したいとか」

 -「美代子に借金を払ってもらえる。自分はラッキーだな。働かなくていい」と思っていたのでは。

 「それはないです。借金は自分で返していくつもりでした」

 -06年の沖縄旅行で、李正則被告が割腹自殺を図ったことがあった。理由は。

 「泡盛を飲んで酔っ払って、美代子に偉そうなことを言って、怒られたんじゃないでしょうか」

 -他の親族は「康司被告が美代子にかわいがられて、正則被告が嫉妬して腹を切った」と話しているが。

 「それは分からないです」

 -あなたは結局、最後まで事件のことは通報しなかった。角田家に住み続け、逮捕直前まで万引を続けていた。

 「そうですね」

 -いつまで角田家の生活を続けるつもりだったのか。

 「それは美代子が死ぬまでこの生活が続くと思っていました」

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/2/26
 

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