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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の次男、角田優太郎被告(28)の裁判員裁判の第26回公判が4日、神戸地裁であった。2008年にマンションのベランダ物置で亡くなった仲島茉莉子さん=死亡時(26)=の父親が、証人として出廷した。

 検察官と父親の主なやり取りは次の通り。

 -茉莉子さんとは03年9月に生き別れ、その後会うことはかなわなかった。

 「はい」

 -角田家が来るまでは幸せに暮らしていた。

 「はい」

 -生前の茉莉子さんはどんな子だった。

 「活発で、自分からいろんなことに挑戦する元気な子でした」

 -夢の中で、今でも茉莉子さんが出てくることがある。

 「はい。『パパ頑張って』とか…」

 -茉莉子さんと妹の角田瑠衣被告の姉妹仲はどうだった。

 「良かったです。瑠衣はいつもお姉ちゃんにくっついていたし。勉強にしても、何にしても、お姉ちゃんに追いつきたいという気持ちがあったと思う」

 -茉莉子さんの将来の夢は。

 「子どもの絵本を作ったり、歌を作ったり、自分の得意分野で何か人のためにやっていきたいと、友達に話していたそうです」

 -03年2月に角田家の者たちが来てから、全てが壊されてしまった。

 「はい」

 -尼崎の民家の床下から見つかった遺体が、DNA鑑定で茉莉子さんと判明したときの気持ちは。

 「寝ることもできず、なんで茉莉子を救ってやれなかったかと、本当に悔しくて悔しくて。自分が抑えられなくなりました」

 -角田家が関わったことで、いろんなものを失った。

 「まず、仕事がなくなり、家がなくなり、親戚との付き合いも。最後は故郷もなくなり、大事な家族も、全て失いました」

 -取り返しのつかないものも。

 「瑠衣はまだ生きてますが、初代(元妻の皆吉初代さん)や茉莉子は命まで取られた。命さえあれば、お金がなくても家庭は取り戻せると思っていたので、ずっと探していたし、警察に何度もお願いした。でも取り合ってもらえなかった」

 -優太郎被告は「美代子に逆らえず、茉莉子さんを助けることができなかった」と述べた。どう思うか。

 「(優太郎)被告は、常に美代子からかわいがられ、一番止められる立場にあったと思う。保身に走っている感じがして、納得できません。人のつらさや痛みが被告には理解できていないと思う」

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/2/4
 

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