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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、2005~11年に死亡した男女5人に対する2件の殺人や監禁、死体遺棄などの罪に問われた無職角田優太郎被告(27)の裁判員裁判の初公判が19日、神戸地裁(増田耕児裁判長)であった。優太郎被告は殺人罪を含む3事件で「関与していない」などと無罪を主張した。

 もう1件の殺人罪の成立についても争う姿勢を示し、岡山県備前市の海中から遺体で見つかった橋本次郎さん=死亡当時(53)=への死体遺棄罪のみ認めた。

 判決は3月18日で調整されており、今月7日に選任された裁判員ら計10人の任期は裁判員裁判で過去最長の132日となる見通し。

 優太郎被告は、一連の事件の首謀者とされる角田美代子元被告=自殺当時(64)=の次男。検察側は、冒頭陳述で事件の概要を説明。「美代子元被告の意向に従い、同居集団が殺人などを繰り返した」とした上で「優太郎被告は美代子元被告にかわいがられ、角田家の中で立場が高く、意見を言うこともできた」と述べた。

 一方、弁護側は幼少期から美代子元被告の虐待を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と解離性障害になったと主張し、「各事件に積極的に関与したわけではない」と強調。義姉の仲島茉莉子(まりこ)さん=死亡当時(26)=に対する殺人、監禁罪に問われた事件などで無罪を主張。保険金目当てに自殺を強要され、沖縄で転落死したとされる角田(旧姓橋本)久芳さん=同(51)=への殺人罪についても「自殺ほう助罪にとどまる」とした。

 20日以降、古い事件から審理し、検察と弁護側が事件ごとに詳細な冒頭陳述を行う。

 〈尼崎連続変死事件〉 2011年11月、尼崎市の貸倉庫で大江和子さん=当時(66)=の遺体が見つかったのを端緒に、角田美代子元被告=自殺、当時(64)=の周辺で、不審死や行方不明が相次いでいることが発覚。12年10~12月、同市や岡山県備前市、高松市で5遺体が見つかった。兵庫県警は同年11月、美代子元被告と親族ら計8人を逮捕したが、美代子元被告は翌月に留置場で自殺。一連の事件では男女8人の死亡が確認され、美代子元被告の親族ら10人が起訴された。大江さんの事件では大阪高裁が今年10月、娘ら3人に執行猶予付き有罪判決を言い渡し、長女と次女が上告した。

2014/11/20
 

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