尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告＝自殺時（６４）＝の親族３人の裁判員裁判第２４回公判が２３日、神戸地裁で開かれた。岡山県の海から遺体で見つかった橋本次郎さん＝死亡時（５３）＝に対する逮捕監禁、殺人、死体遺棄罪の審理があり、元被告の内縁の夫鄭頼太郎被告（６５）の被告人質問があった。

　弁護側との主なやりとりは次の通り。

　－次郎さんが起こしたトラブルは（元被告の義理の娘）瑠衣被告から聞いたと。聞いてどうした？

　「次郎を部屋に連れて行き、問い詰めたが何も言わなかったので、やってんなー（事実なんだな）、と思って頭をはたきました」

　－その後は？

　「リビングに戻って、瑠衣に『やってる』と言いました」

　－次郎さんが監禁されていることにはどうやって気づいた？

　「同じ部屋で寝ている次郎が朝起きたらおらんくて、飼ってた犬にトイレをさせるのにベランダに行った時に物置の中に居るのが分かりました」

　－元被告を物置に入れたのは何のためと思った？

　「お仕置きのためにと」

　－当時、それを見て同じように監禁、虐待されて亡くなった仲島茉莉子さんらのことは思い出さなかったか。

　「いえ。すぐ出てくると思ってましたから」

　－どうしてすぐ出て来られると？

　「（トラブルが）大したことないと言ったらおかしいけど…」

　－そのほかにも理由があったのでは。例えば（元被告の養子で長男の）健太郎被告（３３）が元被告に頼んだら出してもらえるんじゃないかとか。

　「それは思いました」

　－次郎さんが閉じ込められた物置の扉につっかえ棒をしたのはあなた？

　「はい」

　－いつした？

　「天神祭に行く前に」

　－その時に物置の中は見なかった？

　「見てません。天神祭に行くのでばたばたしてて、そっちの方が気になって」

　－次郎さんを緊縛した丸太も取りに行った。丸太に縛り付けるという予想はした？

　「はい」

　－どう縛ると思ったか。

　「どういう縛り方するかはちょっと…。でも、横にはできんから縦にするんかなと」

　－縦に？

　「片腕を上で縛って、片腕を下に縛って」

　－この法廷で実際の緊縛状況を再現した写真も出された。それを見てどう思った？

　「いやあ、むごいなーと思いました」

　－次郎さんはずっと閉じ込められることになると思っていた？

　「いや、それはありません。私の考えでは、（当時、免許合宿で不在だった元被告の次男）優太郎（受刑者）が戻ってきたら、健太郎と相談して美代子に言って、許されるだろうと思ってました」

　－元被告が居ると、あなたは楽しかったか。

　「楽しいことはないです。緊張します」

　－どうして？

　「下手したら怒られますし」

　－みんなでパチンコに行っている時は元被告から離れられて息抜きになった？

　「私はそんなことありませんけど、子どもたちは１日でも長く（パチンコ遠征で）他府県にいたがってましたね。私は家で居る方がよかったですけど、帰るのが嫌なようで、早く帰りたくないからと（高速道路を使わずに）下道で帰ってましたから」