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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)の裁判員裁判第4回公判が21日、神戸地裁で開かれた。2007年12月に逃亡先の和歌山県から尼崎市に連れ戻された母、皆吉初代さん=死亡時(59)=に対する加害目的略取罪の審理で、被告人質問があった。

 弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -元被告の人物像で、検察官が指摘している「支配的」という点について、あなたの認識はどうか。

 「確かに角田家から逃げ出した人に執着して、捕まえて自分の範囲に入れようとするのはあったけど、奴隷を従えるように、恐怖で(相手が)ひれ伏してそれを喜んでいるのではなくて、結果的にはいつもそうなるけど、それを嫌がってるのも美代子でした。好きで慕ってくれるというのを求めていたように思うし、お世話してる、面倒を見てるという上下のつながりを求めていました。勝手だと思うけど、それに対してちゃんと相手が感謝してくれないと気が済まなくて怒って手が出てしまうので、悪循環してる感じです」

 -元被告としては、本当は仲良くしたいけど、できずに暴力を振るっていた、というのがあなたの見方?

 「すごく美代子寄りに考えたら、そういうことになります。その考えが正しいとは思ってないですけど」

 -同じように「独裁的」とされる点についてはどうか。

 「あったと思います。ほとんどそうだと思いますが、ただ、角田家の人なら分かるんじゃないかと思うんですけど、美代子が決めてくれないと困るというか…。一番いい知恵を持っているのは美代子で、後の責任を考えたり、何かことが起こった時に知恵を出すのも美代子。美代子を頼って、こっちから『教えて』『決めて』と言っていた面もあるので、一概に全てを押し付けられて嫌なことだけしていたというと、悪い気がします」

 -元被告について今振り返ると。

 「美代子に対する捉え方が、美代子寄りになってるというのは自分でも分かってるんで、これが、いまだに目が覚めてないところやと周りから思われるというのも分かってます。切り替えていかないといけないなというのと、切り替えていくもんなんかな、というのがいまだにはっきりできてないところがあります」

   ◆  ◆   

 裁判官との主なやりとりは次の通り。

 -あなたも元被告から暴行を受けた。自分の子どもを産んで、子どもが虐待されることを心配したり、角田家から出ようと考えたりすることは。

 「なかったです。美代子から『子はたたいて育てるもんや』と教えられていたので、私自身もよくたたいていましたし、子どもにも『たたいてください』という言葉を教え込ませていて『おばちゃん(元被告)に喝入れてもらっておいで』と言って、美代子の所に行かせることもあったので、そういう考えになれていなかったです」

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/10/21
 

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