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尼崎連続変死事件公判

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(神戸新聞EXT)
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 「懲役17年」。法廷に判決を告げる声が響くと、角田優太郎被告(28)は直立不動でこわばった表情を浮かべた。尼崎連続変死事件で、神戸地裁は18日、首謀者とされる角田美代子元被告=自殺時(64)=の次男優太郎被告に判決を言い渡した。元被告を「恐怖の塊」と話す一方、元被告に溺愛され、犠牲者を救えなかったとされる優太郎被告。終始うつむいて判決を聞き入った。

 美代子元被告の親族では初となる裁判員裁判の判決公判は、午前10時半、神戸地裁101号法廷で開廷した。優太郎被告は紺のジャケットにベージュのパンツ姿。硬い表情で入廷すると、増田耕児裁判長に促されて証言台の前に立った。

 優太郎被告は美代子元被告の子として育てられ、6、7歳のころ、元被告の義妹三枝子被告(61)が実母と知らされたという。元被告の方針で小中学校にほとんど通えず、人前で殴られ、腫れた顔で外を歩かされたことも。最終意見陳述では「美代子との生活は崩壊すればいいと思っていた」と裁判員らに訴えた。

 一方で、元被告に最もかわいがられた存在ともされた。ブランド品を買い与えられるなど角田家の中で優遇されたとみられ、検察側は虐待に「主体的に関わった」と主張。優太郎被告も、虐待から逃げ出した被害者の一人について「生活が窮屈になったんかと思った」と発言し、妻の瑠衣被告(29)が自身に不利な証言をした際は「あり得ない」と批判した。

 増田裁判長は「(美代子元被告に)従属的ではあるが、角田家の生活を維持するために、相当の関与をしていた」「(虐待に)気がつかないとは考えられない」と指摘。優太郎被告はほとんど姿勢を変えなかった。

 裁判員選任期間が過去最長の132日となった今回の裁判。6人の裁判員は手元の資料を目で追い、優太郎被告をじっと見つめる男性裁判員もいた。

2015/3/18
 

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