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尼崎連続変死事件公判

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角田三枝子被告ら3被告をめぐる人物関係図
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角田三枝子被告ら3被告をめぐる人物関係図
角田三枝子、鄭頼太郎、角田健太郎の3被告の起訴内容と各被告の主張
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角田三枝子、鄭頼太郎、角田健太郎の3被告の起訴内容と各被告の主張

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族3人の裁判員裁判の判決公判が16日、神戸地裁である。最大の争点となっている元被告との共謀の有無をめぐり、鍵となるのは「角田家の構造」だ。検察側は、元被告と長年ともに生活した3被告を他の家族の中でも「中心メンバー」とし、いずれも有期刑の上限の懲役30年を求刑。「圧倒的に主導した元被告以外は『その他大勢』」とする弁護側は懲役10年以下が相当とする。

 3人は、元被告の義妹角田三枝子被告(62)▽養子で長男角田健太郎被告(33)▽内縁の夫鄭(てい)頼太郎被告(65)。2005~11年の5事件で九つの罪に問われた=表。

 「事件の全体像を把握するには元被告を理解することが欠かせない」。最終弁論で、弁護側は公判を通じて浮かび上がった元被告の人物像を描写し、角田家の実像に迫った。

 意見を聞かず、生活を管理する自己中心性▽逃げた人をあらゆる手段で連れ戻す執念深さ▽ほかに類を見ない残虐性-。これら強烈な個性とえたいの知れない恐怖感が、元被告による一極支配を築いたと指摘。「3被告への非難の本質は『元被告を止めなかった』ことで、元被告に対する非難とは明確に区別すべき」とした。

 一方、検察側が描く角田家像は、元被告を頂点とするピラミッド型。3被告は上層部に位置したとし、「角田家では指揮命令系統があり、被告らも各自の役割を受け入れた」と主張。事件が長く発覚しなかったのは、各事件のプロセスを被告らが連携プレーでこなしたから、とみる。

 今回の裁判で裁判員の選任期間は09年の制度導入以降、最長の140日間。「角田家」をどう捉えるのか。判断が注目される。

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/9/15
 

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