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尼崎連続変死事件公判

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李正則被告をめぐる人物関係図
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李正則被告をめぐる人物関係図
李正則被告の判決で神戸地裁が認定した罪となるべき事実
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李正則被告の判決で神戸地裁が認定した罪となるべき事実

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ李正則被告(41)に対し、神戸地裁が無期懲役を言い渡した13日の裁判員裁判。主犯格とされる元被告がいない中、平島正道裁判長は、李被告を元被告に次ぐ立場と位置づけ、極刑に言及した。一方で、元被告に対して従属的な役割だったとして懲役刑を下したが、これまでの親族の一審判決の中では最も重い量刑となった。

 李被告は、角田久芳さん=死亡時(51)、仲島茉莉子さん=同(26)、橋本次郎さん=同(53)=に対する3件の殺人など計10の罪に問われていた。

 弁護側は3件の殺人罪で「死亡する危険を認識していなかった」などと争ったが、判決は「死亡する危険があると本当に思わなかったとしても、それは人の生死に無頓着になって、行為の違法性を意識できなかったにすぎない」と糾弾し、いずれも殺意を認定した。

 茉莉子さんに対する5カ月間の監禁、虐待の場面について平島裁判長は声を震わせながら「想像を絶する苦痛や無念さを考慮すると、なぶり殺したと評するにふさわしい残酷な犯行」と非難した。

 量刑について「死刑の選択も検討すべきで、長期であっても有期懲役刑では軽すぎる」と言及する一方、元被告に従属的であったとして「死刑を選択することはちゅうちょせざるを得ない」とした。最後に平島裁判長が「責任の重さをしっかり受け止めていただきたい」と述べると、李被告は小声で「はい」と答えた。

 判決を受け、茉莉子さんの父親は「罪の重さから目をそらさず、真摯(しんし)な思いで刑に服するよう願っています」とコメントを出した。

 【尼崎連続変死事件】 2011年11月、尼崎市の貸倉庫でドラム缶に入った女性の遺体が発見されたことを受け、角田美代子元被告=自殺時(64)=の周辺で不審死や行方不明が相次ぐことが発覚した。兵庫県警は一連の捜査で男女8人の死亡を確認し、元被告と親族7人を逮捕。元被告は12年12月、留置場で自殺したが、これまでに親族4人の刑が確定し、1人が控訴中。最後の1人の公判が神戸地裁で続き、判決は来年2月12日の予定。

2015/11/14
 

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